「クボという選手を知っていますか」
11年夏。電話口から聞こえてきたのはイタリアのサッカー代理人、マウリツィオ・モラーナ氏(42)の声だった。「クボ」とはサッカー日本代表FW久保裕也(23)=ヘント=のこと。高校3年の少年を、わざわざ来日して視察するというから驚いた。
その後、久保は19歳で海を渡るのだが、移籍先は世界のトップとはいえないスイスリーグ。目先の成功報酬を求めるなら他の選択肢もあったと聞く。それでも、同代理人は「まず欧州の文化、サッカーに慣れるため」にスイスを選んだ。選手の未来に投資できる冷静な仲介人が日本に来なければ、今の活躍はなかったかもしれない。
環境、出会いは人を変える。