サンスポ

【虎のソナタ】虎番キャップ、球児たちに心洗われる〜

今成らが参加して行われた野球教室。子供たちも大喜びだった

 -国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった…で始まる川端康成の小説『雪国』。タイガースが誕生する1935(昭和10)年1月に「文藝春秋」で『夕景色の鏡』というタイトルで発表された時には「濡れた髪を指でさわった…その触感をなによりも覚えている、その一つだけがなまなましく思い出されると、島村は女に告げたくて、汽車に乗った…」という書き出しだったそうである。

 ちょっとドギマギするような始まりでありますなぁ…。しかし、それを川端康成は2年後に短編を集めて『雪国』として刊行するのに、大幅な修正をくわえたというのです。

 あなたならどっちの書き出しの方が好きですか? 今時の若者なら「後の方がリアリティーがあって、本当に愛されてる感じがするヮ」と言うかもしれない。なにしろ女性がタダの食事処で数分前までまったく他人の男女が、そのままどこかにしけこんで…その後から「つきあおうか?」「いいわョ」と。やっと互いの仕事を聞いたら男は「医者」といったので女が喜んだ…という歳末のドキュメトを見て不快になった。俺ならそんなチャラい先生に命を預けたくない。


 で、何が言いたいのか? といえば、この日、阪神電鉄本社は「仕事納め」で、長友孝輔は坂井信也オーナーの年末恒例「来年の金本阪神の漢字は?」というのを聞きたくて本社に走った。その記事はとなりでタップリと読んでください。

 「去年は金本監督1年目で金ヘンに兄貴の兄に眉毛をつり上げたイメージで『鋭』という漢字でしたので、僕は今年は糸井選手が入団したので糸に会う…かなぁと『絵』なんてのを想像してたんですが…今年は2つの漢字を考えられてました」(長友)という。それが今年はまた進化した。それも長友の記事で。

 その頃、キャップ阿部祐亮は埼玉県三芳町で開催され、今成亮太や元阪神の藤田太陽が参加し、元ヤクルトの坂本弥太郎が主宰の野球教室に駆けつけていた。年の瀬も押し迫ったときに集まった子供たちは大喜び。「少年たちのキラキラとした眼をみていると取材する側の僕まで心が洗われますョ」という。その電話の向こうで子供たちと選手たちのキャッキャッという声が伝わってくる。


 日本列島は帰省ラッシュ。お正月を海外で…という家族連れは70万人で過去最高。一方で糸魚川大火の後片付けはやっと始まったばかり…熊本大地震の仮設住宅に、本当の春はいつくるのだろう。

 いろんなことがありました。うれしいこと、辛いこと、そして恥ずかしいこと、胸の痛むこと、相も変わらぬ税金の無駄遣いもいっぱい…。

 「本当に人を好きになれるのは、もう女だけなんですから」と『雪国』の中で主人公島村は芸者駒子に言われて、いつまでも無償の愛に甘えていた自分を恥じる。薄く雪をつけた杉の一つ一つがくっきりと鋭く天を指しながら地の雪に立った…と川端は書いている。

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