阪神電鉄が29日、仕事納めを迎え、坂井信也オーナー(68)=阪神電鉄本社会長=が恒例の来年の漢字を発表した。2017年はズバリ「楽」。酉年とあって、木の上で白い鳥(白星)がさえずる形に願いを込めた。選手らが野球を楽しみ、超満員の甲子園で虎党を楽しませる。総帥自身、どこまでも苦楽をともにする覚悟の表れだ。
必ず、羽ばたく年にする-。年内すべての業務を締めくくった総帥の心が、来季へ飛び立った。この1文字に期待を込めて、2017年は勝つ。
「『楽』という字あるやん? 楽しいという。木の上に白い鳥が…白い鳥って白星のことやけど、さえずっているような格好をしとるからね」
歳末恒例の、総帥が選ぶ漢字1文字。旧年の教訓も踏まえ、新年へ心を新たにする。「結構(考えなくてはならないと)プレッシャーがあんねんけど…」と苦笑いしながらも、見事に干支の「酉」にかけて、木に留まり羽を広げて歌う幸せの白い鳥を思い描いた。込めた願いも、次から次へとあふれ出た。
「ファンの皆さんに楽しんでほしい、というのと。来シーズンお楽しみにというのと。選手も野球を楽しんでやってほしい、と。苦あり楽ありというか、監督フロント、僕も含めて『苦楽を共にしていきましょう』と」
「楽」ではなかった1年は終わる。「超変革」の名のもと、船出したが結果は4年ぶりのBクラス。春先は多くの虎党が期待に胸を膨らませ、本拠地へ足を運んでくれたが甲子園7連敗もあった。ホームで31勝39敗1分けと大きく負け越し、観客動員300万人にも9万人ほど届かなかった。選手らが苦い表情なら、当然ファンもうつむく。選手が挑み、プレーを楽しむことがファンを楽しませることにつながるという本質も、見つめ直せる1文字だ。
さらにオーナーは「楽」と並び、尊敬の「尊」という字も挙げた。
「酉という字が挟まっているんで。ファンを尊ぶ、スポーツマンシップを尊ぶ、ルールを尊ぶとか。まあ今年、野球界いろいろあったから。子供たちに尊敬される存在になってほしい」
酉年だった2005年のVから11年が過ぎ、願いは尽きない。糸井もFAで獲得。バックアップも進め、新しい年へ踏み出せる。総帥自身、どこまでも運命を共にし、苦も楽も受け止める覚悟だ。 (長友孝輔)
★坂井オーナーの予定
電鉄本社の仕事始めは来年1月4日。球団仕事始めの5日には、金本監督、掛布2軍監督、四藤球団社長らとともに新年会を開催。2月の春季キャンプ(沖縄・宜野座)も例年通り視察する予定だ。
★2011年「果」 2010年12月29日に発表。「来年は上積みがあるし、優勝する力もある。『果』は結果を出すとか、果たすとか、そういう意味」と期待
★12年「達」 同年1月4日に発表。「阪神が目標(優勝)を達成するという意味で『達』にしました」と「辰年」ならぬ「達年」にするという意味を込めた
★13年「起」 12年12月28日に発表。「目が覚める、奮い立つ。衰えたものが盛んになるという意味」と説明し、05年以来の優勝を意識
★14年「驚」 同年1月7日に発表。13年は終盤失速で2位。その反省から、「驚異の変身を遂げてラストスパートで優勝するように」
★15年「無」 14年12月29日に発表。球団創設80年に向けて、「原点に戻って無心で頑張る。無色から黄色に染めてもらう」
★16年「鋭」 15年12月29日に発表。金本監督のかねへん。つくりの「兄」の上につり上がった眉のイメージで、「金本アニキが眉をつり上げて戦う」