ヒントは強打者との真剣勝負にあった。4試合を含む8日間の合宿。侍ジャパンでの戦いを終えた藤浪は収穫を「試合で投げられたこと」と即答した。特に、あの1球。確かな手応えを得た。
「持っている球種の中で、勝負球にできるかもしれないと思いました」
登板した12日のオランダ戦だ。左打席のジュリクソン・プロファー内野手(両打ち、レンジャーズ)から空振り三振を奪った。3回3安打2失点(自責1)の38球の中でも印象的なシーン。今季レ軍で90試合に出場し、メジャー通算12発の大リーガーを膝もとのスライダーで誘った。左足に当たりそうなワンバウンドの球だった。
11日のメキシコ戦では、野村(広島)が左打者に内角低めの変化球を本塁打された。その瞬間、テレビ解説を務めたドジャースの前田が指摘した。
「外国人はあそこを打つのがうまい。僕は後ろ足を狙って投げます。『バックフット』っていうんですけど」
前足を目がけて投げると、変化が早く見極められるが、軸足となる後ろ足、英語でバックフット(back foot)を目標に投げ、より打者の近く変化させることでバットに当てることもストライクかどうかの見極めも難しくなる。ダルビッシュ(レンジャーズ)も使うメジャー仕様の攻め方だが、藤浪の1球が、まさにそれ。右腕もマエケンの理論に納得した。