糸井は投手としてはパッとしなかったが、野手として異彩を放った。オリックスに移籍してからはその野性味に満ちたプレーは魅力的だった。実は、この03年のドラフトで阪神が即戦力NO・1といわれて鳥谷敬と赤い糸で結ばれたとき、会見で鳥谷はこういった。
「今の心境は晴天です。打席に入ったら僕は甲子園の熱狂的な大声援は気にならないんです…」。そのとき、体調不良の星野仙一監督から指揮官の座を譲られたばかりの岡田彰布新監督はキッパリと言った。「来春のキャンプインは、彼はショートでスタートします。コンバートはしません。ウチには金本知憲(当時35歳)といういい手本がいる。彼のトレーニングや鍛え方などを見て、レギュラーを獲るというより全試合に出るという覚悟でいてほしい」と。その言葉を受けた鳥谷は、ますます目を輝かせて言った。
「ズッと出場し続けている金本選手は、けがをしないという印象があります。これからプロで練習法、筋トレのやり方、長いシーズンの過ごし方などを聞いてみたい。そして40歳まで野球をやりたいです」