G倒で決める。25年ぶりのリーグ優勝へのマジックナンバーを「1」としている広島は10日に東京ドームで2位巨人との直接対決。先発する黒田博樹投手(41)は9日、マツダスタジアムで調整し東京に移動した。広島を優勝させるため米大リーグから帰参した男気右腕に大役。プロ20年目にして初の栄冠へ、舞台は整った。
きょう決める。G倒で25年ぶりのセ界制覇だ。優勝マジック「1」としている鯉が敵地・東京に乗り込んだ。黒田が満を持して巨人戦のマウンドに立つ。
「目の前の試合に勝つしかない。それしかないですよ」
晴れ渡る広島の空で汗を流した。野村、ヘーゲンズ、岡田らと冗談を言い合いながら、ランニングにキャッチボールと予定のメニューを入念にこなした。取り囲む報道陣をちゃめっ気たっぷりに笑わせる余裕もみせた。
「気持ちも変わらないし、何も変わらない。背番号でも変わるの?」
チームは巨人戦21試合で10勝11敗も、14ゲーム差をつけ、マジック「1」。黒田自身は巨人戦4試合に登板し1勝3敗、防御率5・26と苦戦しているが、4月2日の対戦(マツダ)では4安打完封している。
「有利といえば、うちが完璧に有利なので、何も変える必要はない」
宿泊先のホテルでは優勝決定に備えて会見場が準備されていたが、ナイターで巨人がヤクルトに勝利したため、持ち越しとなった。優勝決定試合の先発マウンドは黒田に託されるが、その視線はすでにクライマックスシリーズ(CS)、そして日本シリーズに向いている。優勝が決まれば黒田の出場選手登録が抹消されることが濃厚だ。
41歳シーズンもここまで22試合に登板し8勝8敗、防御率3・12と奮闘。ノルマとしていた2桁星は達成されていないが、先発ローテーションの柱として鯉投を支えてきただけに慢性的な右肩痛などを抱えている。万全な状態からは程遠いだけに、1カ月後の10月12日から始まるCSファイナルステージへ備えるため、蓄積した疲労を回復させる計画だ。
エース前田(ドジャース)が抜けた今季、下馬評は総じて低かった。それでもシーズン前に「やる以上は優勝を目指すのは当然。僕自身もそんなに時間もなくなってきている」と言い切り、鯉投の先頭に立ってきた。日本シリーズまで勝ち抜けば、10月下旬までの長丁場。まだまだ出番は続く。
座右の銘は「苦しまずして栄光はなし」。米大リーグから広島に戻って2年目。「せっかく球場に足を運んでくれる人のために、いい結果を残していきたい」。プロ20年目にして初の栄冠へ、苦しんだ分だけ最高の投球で優勝を勝ち取る。 (玉木充)
★GC2連戦入場券完売
巨人はこの日、10日(午後6時開始)、11日(同2時開始)の広島2連戦(東京D)の入場券が完売したと発表した。両日ともに球場窓口での販売はない。また、東京ドームに隣接する野球殿堂博物館は、広島・黒田が日米通算200勝を達成した7月23日の阪神戦(マツダ)で使用したボールを10、11日の2日間限定で特別公開すると発表した。
★きょう優勝が決まれば
広島は勝つか引き分けで優勝が決定し、緒方監督が東京ドームで胴上げされる。宿舎のホテルに移動後、緒方監督、黒田、新井、菊池、丸の共同会見。その後、3000本の中瓶(500ミリリットル)でビールかけが行われる予定だ。ペナント贈呈はマツダスタジアムに戻る15日(巨人戦)に行われる。