自力できょう決める! 優勝へのマジックナンバーを「1」としている広島は9日、東京に移動。宿舎でナインそろってヤクルト-巨人(神宮)をテレビ観戦したが、優勝決定は持ち越しとなった。10日に2位巨人との直接対決に勝利して、25年ぶりの歓喜の瞬間を東京ドームから全国に発信する。
宿舎のホテル内の大広間。スクリーンに映し出された試合に見入っていた鯉戦士が、最前列に陣取っていた指揮官の呼びかけに雄たけびで応じた。2位巨人が神宮でヤクルトに勝利。残念じゃない。自力で優勝を決めるチャンスが舞い込んだ。マジック1のまま、10日の巨人戦を迎える。
「あしたや、あした。あしたいくぞ!」
巨人の勝利を見届けた緒方監督がナインを振り返り、短い言葉で選手を鼓舞する。
「よっしゃー」
野太い声が会場に響き渡った。巨人が敗れれば、試合を行うことなく、少し寂しい形で優勝が決まっていた。V決定に備えて、ジョンソンはビールかけ用のゴーグルまで用意していたが、とっておきの時間は東京ドームに持ち越しだ。
「最後は勝って決めたい。そういうチャンスをもらえたので、精いっぱいプレーしたい」
ベテランとしてチームを引っ張ってきた39歳の新井も、思わず身震いした。しかも、大一番の先発マウンドには、ともにチームの精神的支柱となってきた黒田が向かう。
「これも巡り合わせというか。すごいなと。自分たちではどうしようもないところで、見えないなにかがそうさせているような。そう感じた」
この日は、広島駅で待ち構える大勢のファンの声援を背に、東京行きの新幹線に乗り込んだ。98打点でリーグトップを走る男が自らのバットで優勝を決めれば、MVPも見えてくる。
緒方監督は、改めて選手に、ファンに、そして自身に向け、決意表明した。
「あした決めましょう。あしたはチーム一丸で戦って、自力で決める。それだけ」
指揮官は周りの狂騒にも惑わされず、ブレずに突っ走ってきた。25年ぶりの優勝は目前。鯉党だけでなく、プロ野球ファン注目の歴史的瞬間の舞台が整った。 (長谷川稔)
「勝ってグラウンドで決めたいと思っていた。いつも通りやるだけ」
「特に何も変わらないです。優勝が懸かった試合でも、優勝した後の試合でも、何も変わらないです。チームが勝つことが大事」
「仕方ない。優勝も25年ぶりだし、それが東京。しかも巨人。わくわくする。小さい頃から見に来ていた思い出深い球場。そういうところで優勝できればうれしい」
「しようがない。あした(10日)決められるようにいつも通りの野球がしたい。今までやってきた野球をすることが一番の近道」
★カープ居酒屋・亀山社中、盛り上がるぞ!
東京・世田谷区の「カープ居酒屋・亀山社中」には、約15人のカープファンが集まり、ヤクルト-巨人をテレビ観戦した。優勝はきょう以降に持ち越しとなったが、秋元信人店長(35)は「試合に勝って決めてほしいという思いもあります。あした、あさってはみんなで盛り上がりたいですね」と、25年ぶりの歓喜の瞬間を待ちわびていた。
【巨】★8時22分 高橋監督が新神戸駅から「のぞみ2号」に乗車、帰京
【広】★11時 マツダスタジアムで先発投手陣練習開始。黒田、野村、岡田、ジョンソン、ヘーゲンズが参加
【広】★11時半 菊池が赤松とともに広島駅に現われる。前日打撲した右膝を引きずることもなく、元気な様子
【ヤ】★14時20分 真中監督がグラウンド入り。「うちは他のチームのことを気にしていられない」
【広】★14時43分 緒方監督が広島駅から「のぞみ32号」に乗車
【広】★15時 東京・港区のチーム宿舎で球団広報が優勝対応のミーティング。会見場の設営も始まる
【ヤ・巨】★16時20分 神宮球場が開場
【ヤ・巨】★17時10分 広島の帽子を被った鯉党とみられる男性2人組がチケットを買い求める
【巨】★18時 試合開始。長野がデイビーズの初球を初回先頭弾
【広】★19時半 宿舎の大広間に選手らが集合。大型テレビでヤクルト-巨人を見守る
【広】★21時8分 巨人が勝利。緒方監督は「あしたや。あした。あしたいくぞ!」