関東大学対抗戦(16日、明大6-31帝京大、秩父宮)対抗戦で帝京大が明大を31-6で下し、1試合を残して4年連続5度目の優勝を決めた。ここまで全勝同士の大一番となり、帝京大は重戦車の異名を持つ明大をFW戦で制圧。大学選手権6連覇を狙う常勝軍団は、5トライ中4トライをFWが決めて王座を守った。順位規約により、帝京大と同率で並ぶ可能性を残す明大、早大、慶大にも優勝の可能性が残された。
場外のイチョウ並木が黄金に色ずく聖地・秩父宮で、深紅の帝京大ジャージーが輝いた。唯一の全勝決戦をFW戦で制しての開幕6連勝。副将のPR森川由起乙(4年)が、分厚い胸を誇らしげに張った。
「ミスが多くて、最後まで帝京の形には持っていけなかったが、前半のモールで3本取れたのがいちばん大きかった」
ともに強力FWが武器だが、8人の闘争心で相手を上回った。0-3の前半13分、ゴール前の相手の反則でPGを狙わずタッチキック。ラインアウトからラックサイドを突破してFLマルジーン・イラウア(3年)がインゴールをこじ開けた。
26分はラインアウトからモールを押し込みHO坂手淳史(3年)がトライ。37分には再びモールからLO金嶺志(2年)が左隅に飛び込んだ。帝京大の今季トライ数はBKは43でFWは22。大学屈指のBKの決定力を誇るが、この日は全5トライ中4本をFWが奪い、明大をねじ伏せた。
明大戦への準備が始まった11日、練習前の人気のないグラウンドに黙々と掃除をする森川の姿があった。「先輩の姿をみて、どんなときでも続けようと決めました」。大一番を前にしても初心は決して忘れない。この地道で、おごりのない姿勢に帝京大の真の強さが秘められている。
この日もボールを持った仲間をしっかりとサポートし、トライにつながるモールでは押し込む方向を細かくずらして前進した。明大とは個々の身体能力では互角だが、細やかな仕事の積み重ねで、大きな差を生み出していた。明大はノートライだった。
SH流大主将も「後先考えずにキックオフから全力を出し切ろうと臨みました」とフィフティーンの思いを代弁した。前人未到の大学選手権6連覇、悲願の打倒トップリーグという大きな夢よりも、自分たちの足元を見失わずにたどり着いた対抗戦4連覇。地に足が着いた王者に、油断はない。 (吉田宏)
「全勝対決だったので、選手たちも明大側も気合が入っていた。強引さもあったので、修正していきたい」