ウイニングボールを手に笑顔で引きあげる巨人・西舘勇陽(撮影・佐藤徳昭) (セ・リーグ、ヤクルト2-8巨人、15回戦、ヤクルト9勝6敗、15日、神宮)思い出の地で、大きな1勝―。巨人・西舘勇陽投手(24)が15日、ヤクルト15回戦(神宮)に先発し、7回4安打1失点で2勝目を挙げた。危険球退場となった1日と同じカードで好投し、先発ではセ・リーグ球団からプロ3年目で初勝利。リーグ2位のチームは8―2で大勝し、首位阪神と1ゲーム差に迫った。
慣れ親しんだマウンドが、右腕に力をくれた。西舘が中大時代に何度もプレーした神宮で、7回4安打1失点の好投。「ものすごく投げやすかった」。大量援護も味方に5月30日以来、約1カ月半ぶりの2勝目を挙げ「9連戦のまだ序盤なので、何とか長い回を投げられてよかった。野手が点を取ってくれた後、三者凡退とか、テンポよくいけた」と胸を張った。
一回から毎回走者を背負い、三回にはサンタナに高めの直球を右翼席へ被弾。それでも、直後の四回に味方が逆転すると「そこからどんどんゾーンで勝負ができた」と以降は七回まで許した走者は安打の1人だけ。交流戦で通算3勝を挙げているが、先発ではセ・リーグ球団から待望の初勝利(通算5勝目)に「ようやくですね。野手のおかげです」とはにかんだ。
1日に故郷の岩手で行われた主催試合に先発。初の凱旋(がいせん)登板で成長した姿を見せるはずが、二回先頭でまさかの危険球退場に終わった。少なからず動揺したまま翌日に帰京。向かったジャイアンツ球場で寄り添ってくれたのが経験豊富な先輩、則本だった。
「すごく気をつかっていただいて、(練習開始前に)ストレッチをしているときからずっと話しかけてくれました」
登板翌日、ランニング中も並走して声をかけてもらった。あえて試合の話題は出さず、いつも通りの様子で接してくれる先輩の気遣いが心にしみた。「多分、自分が思いつめすぎないようにしてくれたんだと思う。一人で抱え込むより、誰かと話をした方が気持ちも楽になる。そこはすごくありがたかったです」。先輩の支えを受けて、同じヤクルト戦、奥川との投げ合いで力投した。
エースの戸郷が左太もも裏の肉離れで離脱した先発陣に、期待の西舘が大きな存在感を示した。橋上監督代行は「全般的に球威を感じる投球。本塁打を打たれてからは高さも圧倒したし、テンポも制球もよくなった」と目を細めた。勝負の夏場を前に、頼もしい戦力が一本立ちした。(浜浦日向)