創志学園高時代の阪神・西純矢(左)と大船渡高時代のドジャース・佐々木朗希(2019年8月22日撮影) ■10月12日 「ロウキにカンパイ!」の掛け声で始まったドジャースのシャンパンファイトから数時間後、高校時代に岩手・大船渡高の佐々木朗希と並んで「BIG4」と呼ばれた阪神・西純矢の打者転向が発表された。偶然だが、予期しない「時の一致」もプロ野球の側面だ。
2027年からのDH制導入を考えれば、あの放物線が、球団では最後の投手アーチになるかもしれない。22年5月18日のヤクルト戦(神宮)の二回、西純は2ランを放ってプロ初の完投勝利を飾った。思えば、野球人生の絶頂期だった。
岡山・創志学園高2年時の夏の甲子園大会で1試合16奪三振。投げる度に帽子が飛び、三振を奪うとガッツポーズ。強烈なインパクトとともに、20年ドラフト1位で阪神に入団した。本塁打を記録したシーズンは6勝。翌年は5勝も24年は勝利なしで、2月に右肘手術を受けた影響で今季は2軍での登板はなかった。
古くは川上哲治、王貞治の両氏。身近には球団OBの糸井嘉男スペシャルアンバサダーが投手からの転向組。単なる守備位置コンバートよりも成功例は多いような気がする。高校25本塁打の西純にもチャンスはある。育成選手となる見込みで、3桁背番号からの挑戦だ。
「すごいなと思っている自分がちょっとダサい」。今年1月、佐々木がド軍とマイナー契約を結んだ際の西純のコメントだ。その差はさらに広がったが、幸いにも戦力外での退団は免れた。3年前の一発が自身最後の本塁打にならないように…。11日の練習から野手組に合流。今後の状態を見て内、外野手の適性も判断される。もう投球フォームに悩むことはない。バットを手にした若者の登場を甲子園の打席が待っている。(稲見誠)