今シーズン最終戦を終えあいさつする広島・新井貴浩監督=マツダスタジアム 10月4日の広島対ヤクルト(マツダ)の一戦が終わり、セ・リーグのレギュラーシーズン全日程が終了した。新井カープは借金20で5位。苦しい戦いを強いられるなか、来季に向けた種まきにも着手したシーズンだった。
今季最終戦のセレモニーで新井貴浩監督(48)は「いま、チームは変革期であります。変わろうとするとき、また新しい力が生まれるとき、必ず苦しみが生じます」とファンに説明した。「来年以降もこの苦しみは続いていくと思います」と触れると、球場中がざわついたが、しっかりとそのファンの反応にも耳を傾けつつ、最後は「そこから逃げることなく、忍耐強く立ち向かっていきたいと思います」と力強く言い切った。
来年も苦しい戦いとなるのか…。そう落胆したファンもいるかもしれない。ただ、長期的に強いチームを作り上げるためには、耐え忍んでいかないといけない時期は必ずある。何より、この変革期を各選手がチャンスをとらえているのかどうか。主力選手を押しのけ、若手や新戦力がその座をつかみ取るときは、その主力選手がけがで離脱した期間に猛アピールしたりして、徐々にレギュラー陣の顔ぶれが変わっていく。しかし、今季はそういう選手は現れなかった。だからこそ、無理やりにでも首脳陣が機会を与え、来季以降につながる経験を積ませた。
以前、新井監督は「いつまでもチャンスがあるわけではない。おそらく他のチームの若い選手よりうちのチームの若い選手、何歳以下で区切るかはわからないけど、すごいチャンスは多いと思う」と口にし、「でも、結局はそのチャンスをつかみ取るのは自分自身だから。いまのチャンスをつかまないと、また新しい若い選手が入ってくるわけだから。もちろん、チャンスを与えるのはこちらの仕事だけど、プロ野球なのでそれをつかむのは選手自身。わらにでもしがみついて、絶対取ってやるんだというものを見せてほしい」と求めていた。
「去年100打席(チャンスが)ありました。そこで結果を残せませんでした。だったら次は50、60打席しかないですよ。そこでもダメだったら次は20、30打席しかないですよ、と」
結果が出なければ、おのずとチャンスは減り、別の選手に出番が回っていく。そういう自覚を持った選手がどれだけ目の色を変えて戦えるのか。種をまいた若手たちが花を咲かせられるのか。来季のサバイバルはすでに始まっている。(西垣戸理大)