オリックス・麦谷祐介(右)は再昇格した7月29日の西武戦で七回に代走で出場すると二盗に成功。スライディングは足から こんがりと日焼けした肌が、ファームでの充実した日々を物語っていた。1軍に復帰したオリックスのドラフト1位・麦谷祐介外野手(23)=富士大=が持ち前の明るさとスピードでチームに活気をもたらしている。
「(2軍で)技術面を見直せた。責任と自覚を持ってやっていきたい」
1年目の今季は開幕から1軍メンバーに入り、自慢の脚力でチームに欠かせない戦力となっていた。しかし、6月8日の阪神戦(甲子園)の第1打席で遊撃へのゴロを放った際に一塁へ猛然とヘッドスライディング。内野安打となったが、この時に指を痛めて試合途中で交代。左薬指の剥離(はくり)骨折と診断されて同10日に登録を抹消された。
麦谷祐介は持ち前の明るさでチームに活気をもたらしているウエスタン・リーグで実戦復帰してからは11試合に出場し、打率・306(36打数11安打)。結果を残し、7月29日に1軍昇格を果たした。
2軍ではけがの回復だけでなく、打撃面のレベルアップにも時間を費やした。高橋信二2軍打撃コーチにスイングの軌道などについてアドバイスをもらったという。「(1軍ではまだ)アウトプットを100%できていない」と試行錯誤は続く。再昇格後は打撃練習中に太田からもヒントをもらうなど貪欲だ。
「現状に満足していないし、もっと上を目指していきたい」
走塁ではチームトップの10盗塁と存在感が光る。「与えられた仕事でもあるし、自分の武器でもあるので。一つでも次の塁を狙って勝利に貢献できたら」と手応えをにじませた。
また、1軍復帰後に再認識したあることが、麦谷を奮い立たせた。「盗塁したときのファンの歓声を聞いてもう一回、頑張ろうと思えた」。2軍にはないような大歓声を久しぶりに耳にし、プロ野球選手として1軍で活躍することこそが喜びであり、使命であると実感した。
もう一つ、けがを機に変わったことがある。走塁時に自ら購入したというスライディングミット(鍋つかみのような形状をした走塁用グローブの一種)を着用するようになった。けがのリスクを最小限にするためだ。
「もう(本塁以外では)ヘッスラ(ヘッドスライディング)はしないっす!」。明るく笑う麦谷の表情は充実感と強い決意がにじんでいた。(織原祥平)