阪神の話題の事象をさまざまな角度から深く掘り下げる「虎博覧会」(不定期掲載)。今回は左下肢の筋挫傷から復帰して、9試合連続安打中の小幡竜平内野手(24)に迫る。昨年に続くシーズン途中の離脱を経験。しかしその期間、早朝から行ってきたトレーニングが、好調につながっていた。(取材構成・中屋友那)
遊撃のレギュラーに定着し、攻守にわたって活躍を見せる。小幡は21日のソフトバンク戦(甲子園)では中越えの適時二塁打を放つなど、直近9戦連続安打中だ。課題だった打撃で好調をキープする裏には、リハビリ期間の取り組みがあった。
5月11日の中日戦(甲子園)で左下肢の軽度の筋挫傷を負い、翌12日に抹消。定位置をつかみかけていた矢先のアクシデントだったが、立ち止まることはなかった。6月6日のオリックス戦(甲子園)で昇格即先発出場するまでの1カ月弱に、成長のチャンスを見いだした。
「リハビリではやることもかなり多かった。でも積極的にトレーニングもやった。痛めたところをしっかり治すだけじゃなくて、体の強化もできたと思う」
昨年7月にも同様のけがで離脱。部位は微妙に違うが、昨年と同じ筋肉だった。だからこそ、再発を防止するために太もも裏(ハムストリング)の強化が必要だった。トレーニングは朝早くから夜まで一日がかり。決して〝静養〟したわけではなかった。
毎朝、遅くとも午前7時30分には日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎に到着し、エクササイズから一日がスタートする。全体練習の時間は患部の様子を見ながら徐々にメニューを増やしていった。そこから食事を済ませ、室内に入ってトレーニング。そして治療を行い、交代浴を済ませると、時刻は午後6時を回る。そして家に帰ってナイターの1軍戦を見る。そんなルーティンを、地道にこなしてきた。
そしてそんな忙しいリハビリ期間でも、小幡が一度だけ、足を止める瞬間があった。ファンの前を通るときだ。
「応援してくれている人がいるのはうれしい。こんなときだからね」
時間の許す限り、サインにも、写真にも、丁寧に対応した。背番号38を応援しようと、ファンと選手を隔てる柵には何枚もの小幡タオルがかかった。あのときにもらった「頑張って」の言葉に応えるために-。ここからはもう離脱することなく、最後まで走り抜く。