18日の西武戦で宮崎の適時二塁打で二走に続き、一走のDeNA・牧秀悟が生還=横浜スタジアム DeNAの走塁強化が、成果に表れ始めた。今季は春季キャンプから打球や状況の判断力向上を目指し、意識改革に取り組んできた。走塁による得点貢献度を示すアルティメットベースランニング(UBR)は、交流戦前時点で12球団トップの10・0。チームに浸透した一つ先の塁を狙う姿勢を生かし、27日から再開するリーグ戦でも得点を積み重ねる。(取材構成・鈴木智紘)
貪欲に1点を奪い取る姿勢が、DeNAナインに染みついてきた。持ち前の強打のみならず、正確な判断に基づいて足を生かす。走塁強化を担う河田外野守備兼野手コーチの指導下で一つ先の塁を狙う意識が高まり、率先する牧は「河田さんから口酸っぱく次の塁、次の塁といわれている」とうなずいた。
象徴的な場面がある。4-2で勝利し、連敗を5で止めた18日の西武戦(横浜)。宮崎が1点を追う五回1死一、二塁で逆転の2点二塁打を右中間に運んだ。一塁走者の牧は、捕球した右翼手の長谷川が体勢を崩して返球にもたつく間に三塁を蹴り、頭から滑り込んで生還。少しでも躊躇(ちゅうちょ)があれば生まれなかった決勝点に「(三塁コーチャーの)河田さんが僕を信じて回してくれた」と信頼感を口にした。
成果は指標に表れている。靍岡オフェンスチーフコーチによると、盗塁と盗塁死を除く走塁でどれだけ平均より多く得点を生み出したかを示すアルティメットベースランニング(UBR)は、交流戦前時点で12球団トップの10・0。4・1で2位の広島に大差をつけている。昨季はリーグ5位のマイナス1・1にとどまっただけに、大幅な改善といえる。靍岡コーチは「一塁から三塁、二塁からホームを陥れるための打球判断の質が向上している。一瞬の判断がうまくいき、憤死が少なくなった」と手応えを示した。
DeNA・河田雄祐コーチチームは春季キャンプから打球や状況の判断力向上を目指し、意識改革に励んできた。機動力を鍛えて2016、17年に広島のリーグ優勝に貢献した河田コーチは「キャンプだけでは改善できない。隙のない走塁ができればいい」と余念がなく、試合前の走塁練習時に打球判断を誤る選手がいれば、声を張り上げて指摘する姿がある。三浦監督は「すごく経験がある方。大きな存在」と全幅の信頼を寄せている。
打線が苦しんだ交流戦は7勝11敗で終え、27日から再開するリーグ戦で巻き返しを図る。23日時点で打率・230はリーグ4位、222得点は同3位と向上の余地は十分。さきの西武戦のように機動力を生かして1点をもぎ取れれば、勝機は膨らむはずだ。
広島と並ぶリーグ2位で、首位阪神を3・5ゲーム差で追う。牧は「長打を打てるバッターが並んでいるのは良さ。それでも細かい野球、1点を取りにいく野球は大事」と口元を引き締めた。
★Ultimate Base Running(アルティメットベースランニング)
盗塁、盗塁死を除く走塁での貢献を得点化したセイバーメトリクスの指標。平均値を0とし、どれだけ多く走塁で得点を生み出したかを示す。安打の際の進塁、タッチアップ、併殺崩れなどが評価の対象となり、算出される。プレーによって算出方法が変わる。