七回無死一塁からの連続三振に複雑な笑みを浮かべる阪神・岡田彰布監督=みずほペイペイドーム(撮影・渋井君夫) (日本生命セ・パ交流戦、ソフトバンク6ー2阪神、2回戦、ソフトバンク2勝、15日、みずほペイペイ)阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(55)が阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)の続投など、岡田彰布監督(66)の采配に言及した。
正直言って両チームの差はない。ほんのわずかな部分で、点差が開いてしまっただけなので、もったいない試合だった。まずは一回2死二、三塁で近藤を迎えた場面。右手を故障しているから、当然、引っ張る打撃は難しい。もっと内角を攻める配球があっても良かった。近藤の各打席を振り返っても、内角はあまり攻めていない。
さらに言えば2死二、三塁で、一塁が空いている状況だった。パ・リーグの首位打者だから、カウント次第では歩かせる選択肢があってもいい。カウント2-1で梅野にはその選択があったはず。投手は3-1にしたくないから、投げ込んだ球が甘いツーシームになってしまった。悔やまれる3ランだ。
岡田監督の采配にも、先手先手という本来の持ち味が影を潜めていたように感じた。たとえばビーズリーの交代のタイミング。五回に笹川に一発を打たれて、4点差になった時点で、キレていた。1死後、周東へのストレート四球が物語っている。選手心理を把握し、先読みのできる岡田監督だから、このタイミングで交代させると思っていた。
ところが、周東の足を警戒する中で今宮に打たれて、失策も絡んでの失点になった。この回の3失点が致命傷。4点差なら後半、楽しみもあったが、6点差ではきつい。
七回にノイジーが四球で出塁した時も、去年の岡田監督なら代走を投入していたはず。先読みの岡田監督の動きの少なさが気になった。
その一方で、1番・近本からの〝日本一打線〟に近い姿に戻したのは、正解だ。やはり近本は1番タイプだし、何よりも佐藤輝に気配を感じた。一回の右飛は紙一重だったし、ストライクゾーンだけに絞って振れば、六回の右翼線二塁打のような打球が飛び出す。ほんの少し、歯車がかみ合えば、白星にも結び付く。巻き返しに期待したい。