平常心を貫けるからこそ、急遽の出番にも対応できた。昨オフ現役ドラフトでオリックスから加入した阪神・漆原大晟投手(27)は、ここまで中継ぎ投手として19試合に登板。ロングリリーフからワンポイントまで幅広くこなし、防御率1・45と結果を残している。
交流戦のハイライトは5日の楽天戦(甲子園)だろう。先発の大竹が七回2死一塁となったところで降板。2番手の石井が代打・浅村に中前打、続く3番手・島本が小郷に四球を与えて2死満塁となったところで漆原の出番が来た。「本当に気持ちで負けないように、自分をしっかり信じて」と強い気迫でマウンドに上がり、村林を146キロ直球で中飛に打ち取って雄たけびをあげた。
ブルペンで準備を始めたのは「島本さんが出てからでした」。それでも焦りは全くなかったという。気持ちを強く持ってマウンドに迎えたことに加え、マウンドに立ってからの準備にも平常心が現れていた。
「マウンドに行ってから5球投げられるので、その時に投げること自体よりもマウンドをしっかり整えたり、時間がない中でいかに時間を作るかはオリックス時代からずっと大事にしています」
投手に与えられているマウンド投球の時間で、グラウンドや雰囲気にしっかりなじむ。「急がないといけない、焦るシチュエーションではありますけど、そこで使える時間を生かすことが重要」と振り返った。
5月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)ではサヨナラの押し出し四球を与え、マウンドに崩れ落ちた。そこからこういったスクランブル登板にも対応し、登板3試合続けて無失点。自信を深めると同時に、決して過信はせず目の前の登板機会に備える。
「ロッテ戦で悔しいやられ方になった後で、すぐにマウンドに上がって結果を出せているのはいいこと。でもやっぱり1日1日なので」
冷静と情熱を持ち合わせる漆原が、与えられた仕事を全うしてチームに貢献していく。(邨田直人)