八回、代打で登場した佐藤輝。空振り三振も一番の歓声に包まれた 短期決戦は恐ろしい。昨日の今頃は、さあ、CSを勝ち抜いて、日本シリーズを制して、約1カ月の日本一ロードや! とワクワクドキドキ。が、たった1試合負けただけで断崖絶壁だ。きょうにも阪神の2021年が終了してしまう瀬戸際に追い込まれた。
実はここ数日、お祭りムードの編集局の片隅で、阪神の過去のCS結果を眺めながら、不吉な前例を思い出していた。11年前の10年。CS第1ステージは阪神vs巨人。舞台は甲子園。ことしと全く一緒だ。
初戦先発は能見(現オリックス)。あの年、シーズンは8勝無敗。1度も負けなかった。しかも巨人にめっぽう強く、2シーズンに渡って7連勝中。巨人相手のCSに「勝ったも同然」と思っていた。もちろん、私も。
シーズンで巨人打線をキリキリ舞いさせた、ことしの高橋のケースと似てません? 「遥人で負けるはずがない」と思い込んでませんでしたか?
余計なことを思い出しやがって! と叱られるかもしれませんが、またまた痛い1敗。それが現実ですわ。
きょう負けたら、シーズン序盤の快進撃も、巨人に14年ぶりにシーズン勝ち越ししたことも、すべて吹っ飛んでしまいかねない。絶対に勝ちましょう。矢野監督、腹をくくっての名采配、お願いします。
11年前のCS結果を見ながら、初戦で敗れた後の、真弓監督(当時)の談話もよみがえってきた。
「明日はビックリするような打線になってるかもしれないよ」
めったにリップサービスしない指揮官の予言。実際、鳥谷から始まって平野、マートン、新井、ブラゼル、城島…の並びを、1番と3番を入れ替えた。結果、打線は機能したが投手陣は打たれて第1ステージ敗退。ビックリはしなかったけれど、最後の手は尽くした感じだった。
さて、矢野監督がどこまで打線を入れ替えてくるか。トラ番・原田遼太郎が甲子園の様子を伝えてきた。
「きょう一番球場がわいたのは代打・佐藤輝の場面でした。スタンドは黄色一色だったんですが、サトテルが打席に立つと、スタンドのファンはサトテルのタオルをかざすんです。一気に『青地に赤文字』で埋め尽くされて。みんな、持ってるんですよ、あのタオルを。感激しました」
そんな光景も、佐藤輝のスタメン復帰の後押しにならないかなぁ。決めるのは監督ですが…。
終戦直後の1945年11月6日。巨人、阪神、阪急、名古屋、朝日、近畿日本の6球団代表が集まり、戦局悪化で中断していたプロ野球の復活を宣言した。戦後わずか3カ月での大英断により、プロ野球が新たに歩み始めた記念すべき日だ。
76年後、コロナに打ち勝とうと、頑張っている現在のプロ野球。当時集まった6球団は名称が変わったり、消滅したり…。でも、巨人と阪神はそのままだ。だから、今も伝統の一戦と呼ばれる。その伝統に恥じない戦いを、今のタテジマ戦士に期待したい。
そうそう、本日の読売テレビのCS中継では今季限りで引退するロッテ・鳥谷がゲスト出演。パのCSを戦うロッテより、セのCSを戦う阪神を見に来てくれるらしい。偉大な先輩に、恥ずかしくない戦いも見せようね。