ゴーイントゥスカイ(奥)がバステール(手前)の猛追をしのいでラスト1冠を制した (菊花賞、2026年10月25日 15:40、GI、京都11R、芝・右外3000m)
武豊(57)=栗・フリー=騎乗で3番人気のゴーイントゥスカイが鮮やかに差し切り、ラスト1冠をつかんだ。武豊騎手は歴代単独最多の菊花賞6勝目。上原佑紀調教師(36)=美=はJRA・GⅠ初勝利で、史上最年少での菊花賞制覇となった。2着は8番人気のバステール、3着は2番人気のダノンヒストリー。3冠制覇を狙った1番人気のロブチェンは14着に敗れた。
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ゴール前はハナ差の大接戦。勝ったゴーイントゥスカイの武豊騎手ですら、スタンド前に戻ってきたときには〝勝った?〟と首をかしげていた。勝利を確認するとガッツポーズ。スタンドからのユタカコールに、満面の笑みで応えた。
「空気を読まなくて申し訳ない気持ちはあるんですけど(笑)。ゴールした瞬間は分からなかったのですが、(2着バステールの)川田くんが悔しがっていたので、勝ったのかなと思いました」
逃げたキンググローリーが、後続を20馬身近く引き離す縦長の展開。それでも「特別、流れは速くなかった」と百戦錬磨の鞍上は状況をバッチリ把握していた。勝負どころで内に閉じ込められ、直線入り口では馬群で動けない位置にいたが、内にわずかな進路を見つけると自慢の瞬発力を生かして一気にスパート。バステールの猛追をハナ差しのぎ切り、歴代単独最多の菊花賞6勝目をつかみ取った。「強い馬に乗せてもらっているし、長くやっているからね。まだまだもっと勝っていきたい」と意欲をみせた。
開業4年目の上原佑調教師はうれしいJRA・GⅠ初制覇。厩舎開業前に武幸調教師のもとで修行していたことで縁ができたレジェンドとのメモリアルな1勝に、喜びを爆発させた。「感無量です。ダービーに4頭出させてもらって、素質の高い馬たちが集まった世代で、なんとしてもクラシックを取りたいと思っていた。最後の1冠を取れて、よかったと思います」と白い歯をみせた。
前哨戦のセントライト記念で6着に敗れた後は、右にモタれる癖を修正することに重きを置いて調整。追い切り以外のフラットワークや乗り運動でも真っすぐに走らせて、左右の手前が均等になるように取り組んできた。「折り合いも完璧でしたし、最高の状態で迎えることができました」と指揮官は胸を張った。
今後は未定だが、名手は「これからビッグレースで戦っていくことになると思う。キャリアも浅いし、まだまだ強くなる」と将来性に太鼓判を押す。祖父ディープインパクト、父コントレイルに続く史上初の父子3代菊花賞制覇を果たした孝行息子。〝空を目指して〟という名前の通り、高い目標を追い続ける。(増本隆一朗)
■ゴーイントゥスカイ 父コントレイル、母ゴーイントゥザウィンドウ、母の父タピット。鹿毛の牡3歳。美浦・上原佑紀厩舎所属。北海道新ひだか町・千代田牧場の生産馬。馬主はフィールドレーシング。戦績7戦3勝。重賞は2026年GⅡ青葉賞に次いで2勝目。獲得賞金3億4429万8000円。菊花賞は武豊騎手が6勝目(別掲表)、上原佑紀調教師は初勝利。馬名は「空を目指し、高い目標や夢を追い求める」。
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■入場&売り上げ 菊花賞の入場者数は5万2126人で前年比138.6%、売り上げは237億6856万2900円で同115.7%だった。
■アラカルト
◆武豊騎手 2019年(ワールドプレミア)以来、7年ぶり6勝目。ルメール騎手と並んでいた歴代最多記録を更新し、単独最多勝となった。JRA・GⅠは今年の宝塚記念(メイショウタバル)以来、今年3勝目で通算87勝目。JRA重賞は、今年7勝目で通算373勝目。
◆上原佑調教師 管理馬2頭目の出走で初勝利。JRA・GⅠは15頭目の出走で初勝利。JRA重賞は今年3勝目で通算5勝目。36歳8カ月27日での菊花賞勝利は、グレード制導入の1984年以降、最年少記録。
◆コントレイル産駒 初出走で初勝利。JRA・GⅠは今年出走の3頭を含む延べ9頭目の出走で初勝利。JRA重賞は今年4勝目で通算4勝目。コントレイルは2020年、その父ディープインパクトは05年に菊花賞を制し、史上初の父子3代制覇となった。
◆馬主:フィールドレーシング 所有馬初出走で初勝利。JRA・GⅠは延べ9頭目の出走で初勝利。JRA重賞は本馬で制した今年の青葉賞以来、今年の3勝目で通算3勝目。
◆生産牧場:千代田牧場 成績広報に生産牧場を掲載するようになった86年以降、生産馬5頭目の出走で初勝利。JRA・GⅠは21年阪神JF(サークルオブライフ)以来、今年初勝利で通算10勝目。JRA重賞は本馬で制した今年の青葉賞以来、今年2勝目で通算48勝目。
◆単勝3番人気馬の勝利 19年ワールドプレミア以来、7年ぶり13回目。
◆関東馬の勝利 21年タイトルホルダー以降、6年連続41回目。
◆馬番⑨の勝利 25年エネルジコに続く2年連続5回目。