前哨戦のジョッキークラブゴールドカップを快勝したフォーエバーヤング。史上2頭目のBCクラシック連覇を目指す ©Katsumi Saito 昨年、日本調教馬として初めて米国のブリーダーズカップ(BC)クラシックを制したフォーエバーヤングが、史上2頭目の連覇を目指してダート世界最高峰の舞台に挑む。今年は馬産地で知られるケンタッキーのキーンランド競馬場で行われる。日本時間11月1日の決戦を前に、馬主の藤田晋氏(53)=サイバーエージェント会長=がサンケイスポーツの取材に応じ、集大成の秋に向けて、意気込みを語った。(取材構成=吉田桜至郎)
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歴史に名を刻んだあの走りを、もう一度。昨年、日本調教馬として初めてBCクラシックを制したフォーエバーヤングがティズナウ(2000、01年)以来、史上2頭目の連覇に向けて再びダートの世界最高峰に挑む。藤田オーナーが率直な胸の内を明かした。
「去年は勝ちたい気持ちが100%でしたが、今年は無事に走り切って引退してくれれば、それでいいという気持ちが入り交じっています」
BC&サウジCの覇者として、世界の強豪馬たちを迎え撃つ立場となった2026年。春は前年と同じローテで中東のサウジC、ドバイワールドCを連戦。サウジCで史上初の連覇を達成したが、ドバイは逃げた米国のマグニチュードの2着に終わった。
今秋は欧州の芝の最高峰、凱旋門賞も選択肢に挙がっていたが、最終的に連覇が懸かるBCクラシックを選択。「両方のレースから熱心な勧誘を受けて最後まで迷いましたが、馬もまだ最高潮の状態なので、連覇を目指すことになりました」と語る。
前哨戦として臨んだジョッキークラブゴールドCは、4頭立ての少頭数だったものの、格の違いを見せつけて快勝。リニューアルされたベルモントパーク競馬場のこけら落としで、現地のファンを沸かせた。レース後は競馬場でフォーエバーヤングの歌が流れるなど、現地でも熱い支持を集めている。「馬主の私にも『フォーエバーヤングの大ファンだ』と言って、話しかけてくれる人が増えました」と実感を口にし「日本馬初の海外GⅠ4勝目ということで、ここで勝った意義は大きいと思います」とその価値を強調した。
過去2度のBC挑戦は西海岸のデルマー競馬場が舞台だったが、今年は馬産地として有名なケンタッキー州のキーンランド競馬場。「キーンランドが合うかどうかわからないですが、国際経験豊かな矢作先生とスタッフの皆さんが驚くような精度でチューニングしてくれているので、感心しています」と世界に名をとどろかせる〝チームYAHAGI〟に全幅の信頼を寄せる。「過酷な海外遠征や厳しいローテーションにもへこたれることなく元気で、『無事是名馬なり』のありがたみを感じています」と2歳時から第一線で走り続ける愛馬への感謝を語った。
「フォーエバーヤングはサイバーエージェントより、FC町田ゼルビアより先に私を世界に連れて行ってくれた存在だと思っています。私も現地観戦の予定ですが、連覇したら泣いてしまうかもしれません。ファンの皆さまも朝は早いですが、ぜひ偉業の達成を観戦して応援してください」
数々の伝説を残してきた日本の総大将フォーエバーヤング。集大成の秋に目指すはただひとつ。『連覇』の二文字だ。
■藤田晋(ふじた・すすむ) 1973(昭和48)年5月16日生まれ、53歳。福井県出身。青山学院大学経営学部卒業。98年にサイバーエージェントを創業し、代表取締役社長に就任。2025年12月に会長となった。21年7月にJRAの馬主免許を取得し、22年ニュージーランドT(ジャングロ)で重賞初制覇。現役の所有馬はフォーエバーヤングのほかにシンエンペラー(ネオムターフC)、エリキング(神戸新聞杯)、フロムダスク(CBC賞)など。
★強力ライバル BCクラシックは7~8頭立ての少頭数となる見込み。昨年の米年度代表馬ソヴリンティ(米=W・モット、牡4)は左後肢蹄の膿瘍でジョッキークラブGCを回避したが、大一番に向けて調整されている。ドバイワールドCでフォーエバーヤングを破ったマグニチュード(米=S・アスムッセン、牡4)、ケンタッキーダービー&ベルモントSの2冠を制したゴールデンテンポ(米=C・ドゥヴォー、牡3)など精鋭ぞろいだ。
★有馬挑戦!? フォーエバーヤングはBC後の動向にも注目が集まる。藤田氏はかねて有馬記念(12月27日、中山、GⅠ、芝2500メートル)挑戦の可能性を示唆。矢作調教師は前走時、サウジC(来年2月6日、キングアブドゥルアジーズ、GⅠ、ダ1800メートル)で3連覇に挑むプランにも言及した。藤田氏は「つい先日も矢作先生と2人で食事をしながら話し合ったのですが、答えは出ませんでした。BCクラシックの結果と馬の状態を見て、最終的な結論を出したいと思います」とコメントした。