(セ・リーグ、阪神2-0ヤクルト、4回戦、阪神4勝、16日、甲子園)
■2死一塁だったら生まれなかった■
試合を決めたのは五回の藤浪の本塁打だが、流れを変えたのは直前の梅野の盗塁といえる。
2死一塁で、打席は投手。常識なら、盗塁はあり得ない。梅野は100%の自信があったはずだし、何か癖など確信があったのだろう。
0-0の場面。一塁と二塁とでは、経験豊富な石川でも、プレッシャーはまったく違う。ポテンヒットでも1点だ。カウント1-2と追い込んでから2球、シンカーが低めに外れた。投手を相手に慎重に配球した結果、フルカウントに。歩かせたくない状況で、最後はストレート。すべてが、つながっている。
もちろん、うまくジャストミートした藤浪の打撃は見事だが、2死一塁だったら生まれなかった本塁打ともいえる。これが野球の面白さだ。
投球の方は、序盤はよかったが、四回に山田に2球続けて抜け、死球を当てたところから狂いが出た。山田、塩見と好調な右打者を相手に力みが感じられた。そこで平常心でいられるかどうか。そして直後の2死満塁で内川に対して見せたような、右打者の外角への「原点投球」ができれば、もっとよくなってくる。(本紙専属評論家)