七回、安打を放ちベンチへポーズをみせる阪神・中野拓夢=甲子園球場(撮影・松永渉平) (セ・リーグ、阪神3-0巨人=七回裏降雨コールド、8回戦、4勝4敗、3日、甲子園)虎の「2番・二塁」に阪神・中野拓夢内野手(29)が帰ってきた。スタメンに復帰すると即、3度もの快音を響かせた。
「代打で結果が出ていたので、スタメンでも楽に打席に入れた。久しぶりに守備にも就いて懐かしく感じたというか、きょうは楽しく野球ができたかなと思います」
4月28日のヤクルト戦(神宮)で、自打球が右ふくらはぎを直撃して途中交代。満を持して5試合ぶりにスタメンに戻った。四回に左前打で出塁すると、快足を飛ばして佐藤の適時三塁打で一気に一塁から生還。六、七回にも中前打を放って今季3度目の猛打賞を記録し、打率は「・302」となり4月21日以来の3割に復帰した。藤川監督も「ゲームに出続けるという気持ちが体を動かす。引っ張りますよね、チームを」と頼もしい働きにうなずいた。
2022年8月18日から1試合も休むことなくグラウンドに立ち続けてきた男を襲ったアクシデントだった。自打球を受けた翌日も、足を引きずりながら球場入り。当初はベンチを外れることが予定されていた。
「葛藤もあった。肉離れをしてしまうかもしれない怖さもあった。でも連続試合出場は、今まで頑張ってきた証しでもある。いずれ途切れるものでも、一試合でも長くと思っているので」
試合前練習を終えてプレーできる旨を伝え、最後は藤川監督の判断でベンチ入り。代打出場で、連続記録を継続させた。
「(連続出場は)称号じゃないけど、体の強さを表すことでもある。ましてや、小さな体で出続けられることは、子供たちの夢や憧れになる」
身長172センチと決して大きくはない。だからこそ、少年少女たちに伝えたい思いがある。社会人の三菱自動車岡崎からD6位で飛び込んだプロの舞台。連続出場数は「491」。積み重ねた数字が、中野の誇りだ。
二回、井上温大の打球に飛びつく阪神・中野拓夢。抜ければ先制を許してしまう場面で、ガッツをみせた=甲子園球場(撮影・松永渉平)「ほぼほぼ万全という判断があったから出ていると思うし、大丈夫です。当たってから休みもいただきながら、代打で感覚を戻しながら、自分らしくできた。しっかりと9連戦を締めくくるためにも、明日が大事になるかなと思います」
持ち前の守備でも二回2死一、二塁で一、二塁間の打球をダイビングでストップし、才木の完封に貢献した。刻んできた軌跡を胸に抱き、中野が虎を引っ張っていく。(中屋友那)