BEASTは初のファイナルへ ©AbemaTV, Inc. ©M.League 麻雀のプロスポーツ化を目的として2018年にスタートしたMリーグ。2025-26シーズンもファイナルシリーズに進出する4チームが決まった。2チームが涙をのんだセミファイナル最終週を、競馬評論家で麻雀ウオッチャーの片山真氏が振り返る。
【昨年とは様変わりのファイナル】
セミファイナル最終成績 ©AbemaTV, Inc. ©M.League4月30日にセミファイナルの全日程が終了。優勝賞金7000万円(2位2000万円、3位1000万円、4位500万円)を争う4チームが確定した。
首位通過のEX風林火山は2年ぶり5回目のファイナル。BEAST Ⅹはチーム創設3年目での初進出。KONAMI麻雀格闘俱楽部は3年ぶり4回目で、TEAM雷電は昨年に続き3回目の頂点チャレンジだ。
昨年の優勝チーム・フェニックスも敗れた(写真は昨年の最終戦) ©AbemaTV, Inc. ©M.League思えば1年前、ファイナルの最終試合まで優勝を争った1位セガサミーフェニックス、2位U―NEXT Pirates、3位赤坂ドリブンズの名前がないのだから、そこに麻雀の面白さと難しさを感じる。勝負の女神は本当に気まぐれだ。
【滝沢、ここぞの四暗刻】
<4月30日・第1試合>
最終日第1試合のカード ©M.League28日終了時点で6位のドリブンズは2回の大きなトップが必要、4位麻雀格闘俱楽部は2ラスでなければ大丈夫、という条件が残った最終日。実質的な〝決着〟は突然、訪れた。
東4局、七対子狙いから暗刻になった「六筒」を大事にした親番・滝沢和典(麻雀格闘俱楽部)の手順がズバリ。13巡目に役満「四暗刻」をテンパった。
待ちは「四筒」「九索」 ©AbemaTV, Inc. ©M.League一方、ドリブンズの渡辺太は滝沢をラスに沈め、さらに大きなトップを取ることが絶対条件。なんとか萬子の多面張にこぎつけた直後だった。
静かに「九索」ツモ ©AbemaTV, Inc. ©M.League「ツモ。1万6000オール」
例によって、お手本になる所作で滝沢が「九索」を置いた。ツモられた側とは差し引き6万4000点差がつく役満は、卓上の静寂とは裏腹にファイナル争いを決める強烈な一撃になった。
開かれた滝沢の手牌を見つめる太 ©AbemaTV, Inc. ©M.Leagueこのときの太の表情は忘れられない。
Mリーガーになるまでは〝テレビの画面の向こうの方〟で憧れの存在だった滝沢とヒリつく舞台でぶつかり、その壁に跳ね返された。
しかし、すぐに気持ちを切り替え、チームのために粘りに粘った姿はまさしく執念のかたまりだった。
「四喜和」にこだわって、先制リーチの中田花奈(BEAST)から出た「二索」を見逃し。ドラの「白」をポンして満貫確定のテンパイも、内川幸太郎(風林火山)からのアガリ牌「八萬」には微動だにせず、あくまで滝沢からの直撃だけを狙い続けた。
4者が死力を尽くして戦った ©AbemaTV, Inc. ©M.League親の役満を〝500オール〟と同じように静かにアガった滝沢はカッコ良すぎたが、太の強い心もカッコ良かった。
さらに言えば、こんなに緊張する試合での登板にも気後れせず、自己都合を貫いた中田も。そして、リーチ7回を打ち抜いて闘いの場に参戦した内川も。
勝者も敗者もカッコ良かったこの試合は、間違いなく今シーズンのベストバウトのひとつになる。
【ファイナルを盛り上げるチームは】
ファイナル開始時のチームポイント ©M.League4日からのファイナルは、各チームがここまでのポイントの半分を持ち越してスタートする。
これによって1位風林火山から4位雷電までのポイント差でも147.1に縮まる。何なら一日で順位が大きく入れ替わる混戦だ。逆に、勢いに乗ったチームが一気に突っ走る可能性だってある。
勢い、ということなら、セミファイナルの後半4戦を1着、2着、1着、1着で締めくくった麻雀格闘倶楽部が一番だ。
チームを救う貴重なトップをもたらしたのは、<28日・第1試合>に登板した〝魔王〟佐々木寿人。三つどもえの争いになったオーラス1本場、「白、赤1」の500-1000(+100)をツモアガり3着目からトップを奪い取る勝負強さはさすがだった。
勝負強さを見せつける2着順アップ ©AbemaTV, Inc. ©M.League今季の充実をだれもが認める高宮まりも安定感は抜群。5回登板したセミファイナルは、2着、3着、3着、2着、2着でトップこそなかったものの、ラスなしで+0.8。なんと5試合で放銃はただの1回だけ、それも1000(+300)点だったというのだから驚きだ。
セミファイナルは全4選手がプラス ©M.Leagueスタッツ面ならセミファイナルで残した雷電の記録も、さらなる上昇を予感させる。
4選手そろってのプラスポイントは、6チームのなかでこの雷電だけだった。バランスのいい采配で、チームの結束がますます強まったことを感じさせる今シーズン。初年度からのオリジナルメンバーとして、麻雀格闘俱楽部とともに悲願の初優勝に挑む。
■Mリーグ
2025-26シーズンからは10チームとなり優勝賞金7000万円を争う。1チーム男女混成の4人で構成。5月4日からは上位4チームによるファイナルシリーズがスタート。毎週月、火、木、金曜に2試合ずつの8日間開催。各チーム16試合の短期決戦だ。ABEMAで全試合を生中継。https://abema.tv/video/title/444-1
■片山真(かたやま・まこと) 1961年12月18日生まれ。64歳。広島県出身。東京大学農学部畜産獣医学科卒、同大学院修士課程修了。競馬記者歴は40年。夕刊フジで『俺の切り札』を連載し、メインレースを中心にヒットを連発した。麻雀歴は高校1年からで、昭和の人間らしく好きな手役は純チャン三色。