一回、安打を放つ阪神・佐藤輝明。ここから快音を連発した=甲子園球場(撮影・中井誠) (セ・リーグ、阪神3-5巨人、6回戦、巨人4勝2敗、1日、甲子園)阪神はチャンスに1本が出ず、3ー5で巨人に3連敗を喫した。11残塁の拙攻の中、佐藤輝明内野手(27)が2戦連続の3安打猛打賞で打率・387とした。7本塁打、25打点とともに3冠部門トップ。5月は黒星発進となったが、チームも2戦連続2桁安打。ゴールデンウイーク9連戦、猛虎打線をけん引する主砲の快音は止まらない!
5月は宿敵からの黒星で幕を開けたが、4番のバットだけは揺るがなかった。佐藤が打って、打って、打ちまくり、連夜の猛打賞だ。
「はい。よかったです」
あっさりとしたコメントとは裏腹に、打席では輝きを放ち続けた。まずは一回。1死一、二塁で田中将の146キロを捉えると、瞬く間に中前へ。スタンドがどよめくほどの一打は、打球速度180キロを計測した。さらに5点ビハインドの三回。森下が併殺に倒れた直後の2死走者なしで内角球をうまくさばき、鋭い右前打を放った。続く大山の打席で二盗を決め、今季2つ目の盗塁もマーク。一人で好機を作り直し、坂本の2点打につなげた。
七回の第4打席では田中瑛から右前に引っ張り、3安打猛打賞。4月30日のヤクルト戦(神宮)に続く2試合連続で今季6度目。昨季はシーズン全体で猛打賞は7度。28試合目にして、早くも昨季に並ぶペースで量産している。
3、4月は打率・376、7本塁打、25打点と圧巻の数字を残し、打撃3部門トップで締めた背番号8。月間MVPは間違いない状況だ。その勢いは5月に入ってもなお健在。この日は打点こそつかなかったが、打率はリーグトップを独走する・387に上昇した。
チームは10安打を放ちながら、11残塁と拙攻が続いた。チャンスであと一本が出ず、もどかしい展開にも藤川監督は「ゲームの形はね、チャンスも作ってますからね」と前向きなコメントを残した。
不動のチカナカコンビがそろわない危機的状況の中でも福島や岡城など新戦力が台頭。攻撃の形を作り続け、巨人を何度も追い詰めた。悲観する必要はない。2位のヤクルトが大勝し、首位の座は譲らずとも、ゲーム差はなくなった。2019年以来となる甲子園での「伝統の一戦」3連敗。目をそむけたくなる結果だが、佐藤はすでに先を見据えている。
「明日も頑張ります」
静かにクラブハウスに引き揚げた主砲。これ以上宿敵にやられてばかりではいられない。絶好調の4番打者がきょうこそ白星へ導く快音を響かせる。(秋葉元)