試して、感じて、工夫を重ねる-。オフだからこそ自分を追い込み、成長につなげる。阪神・石黒佑弥投手(24)が飛躍を期す3年目に向け、新球習得へ試行錯誤を続けている。
「オフの調整は全体的なレベルアップですね。新しい変化球の練習を中心に練習して、ウエートで体を大きくできるように。けがを再発しないような体づくりをやっています」
今季は6月に脇腹の筋損傷で離脱し、多くの時間をリハビリに費やした。1軍でも存在感を示し始めていただけに悔しさは大きい。来季こそ万全の状態でシーズンを走り抜くため、そして1軍での地位を確立するため、オフから自分の体と向き合い続ける。
さらに投手として殻を破るべく、新たな挑戦にも動き出した。これまでも持ち球はスライダー、カットボール、カーブ、フォークと多様だったが、新たに「チェンジアップ」を習得中だ。高知・安芸市での秋季キャンプではチーム2番目となる計976球を投げ込み、精度向上に努めた。「軸となるようなボールを作って、進化しないといけないと思う」と強い意識で取り組む。
今季は「緩急がもっと使えたら…」と感じる場面も多かった。フォークの精度が上がらず、カットボールに頼るケースが増えて苦しい投球が続いたことも、チェンジアップ習得の背景にある。「簡単にストライクを取れるボールがあれば、フォークも真っすぐも生きて、楽な配球や抑え方ができるのかなと思う」と狙いを明かす。
石黒が理想とするチェンジアップは緩急があり、なおかつ左打者から逃げるシンカーやツーシームの軌道。抜群の球威と切れを兼ね備えた直球をさらに引き立てる球種になり得るだけに、覚醒へのカギを握る可能性は大きい。「バッターをどう惑わすかが大事だと思う。そういう駆け引きができるところまで持っていきたい」と、勝負の春季キャンプまでの完成を見据える。
「まずは戦力として見てもらえるように準備していかなきゃいけないと思いますし、なんとかチームの優勝に貢献できるように食い込みたい」
沖縄・宜野座で迎える2月1日のキャンプイン。そして、秋風が吹くマウンドに広がる歓喜の輪。その中心に、背番号63の姿がある未来を石黒は思い描いている。(萩原翔)
■石黒 佑弥(いしぐろ・ゆうや) 2001(平成13)年6月20日生まれ、24歳。愛知県出身。星城高、JR西日本を経て24年D5位で阪神入団。今季は8試合登板で0勝0敗1ホールド、防御率4・50。通算11試合登板、0勝0敗1ホールド、防御率4・76。右投げ右打ち。180センチ、85キロ。推定年俸900万円。背番号「63」。