今でも左打者にチェンジアップなど落ちる球を投げない左腕は多い。プロ通算1勝の門奈は「打者は食い込んでくる球が嫌で、すごく効果があると引退してから知ったので、最初から投げればよかったと思いました」と悔やんだ。
あれだけの投球をすれば、普通なら次回もヤクルト戦で先発となるはず。ところが「当時は斎藤さん、桑田さん、槙原さん、宮本さんの強力4本柱。谷間でしか先発は回ってこなかった」。初勝利は93年9月23日の広島戦(広島)でこれがプロ7年で唯一の白星。あと1人で逃した完封も完投も達成できず、ヤクルト戦の先発もこの6月9日が最後だったのは残念だった。=敬称略
■門奈 哲寛(もんな・てつひろ) 1970(昭和45)年5月30日生まれ、55歳。静岡県出身。静岡・常葉菊川高、日大を経て93年ドラフト2位で巨人に入団した。通算44試合1勝3敗、防御率3・38で、99年限りで退団。2000年からオランダリーグ、クロアチアのクラブチーム、社会人野球のケイ・スポーツベースボールクラブに在籍し、06年からソフトバンクの通訳兼打撃投手などを務め、現在は2軍用具担当。現役時代は178センチ、80キロ。左投げ左打ち。
★クロアチア代表にも選出
1999年限りで巨人を退団した門奈は英語を学ぶため、ビザが取りやすかった欧州へと向かった。オランダのクラブチームに3年間所属。さらにクロアチアに移り3年間プレーし、代表チームにも選ばれた。
「僕も知らなかったんですけど、ヨーロッパには欧州選手権やいろんなトーナメントがありました」
2005年にソフトバンクからオファーがあり、通訳兼打撃投手として入団。ファルケンボーグ、ガトームソンら外国人投手をサポートした。その後は3軍の用具担当を経て、昨年から2軍の用具担当としてチームを支えている。
※「野村note」は毎週木曜日のサンケイスポーツ紙面に掲載