全日本大学野球選手権最終日(15日、東北福祉大8-1福井工業大、神宮)決勝が行われ、東北福祉大(仙台六大学)が福井工大(北陸)に8-1で快勝し、2018年以来7年ぶり4度目の優勝を果たした。プロ注目の最速151キロ右腕、桜井頼之介(よりのすけ)投手(4年、聖カタリナ学園)が2試合連続で先発。118球を投じ、7安打1失点で完投した。今大会は4試合、23回を投げ、2勝、防御率1・96で、最優秀投手賞に輝いた。打線は1大会最多59安打の新記録を樹立。最高殊勲選手賞は佐藤悠太外野手(3年、報徳学園)が選ばれた。
神宮の杜に響く仲間の歓声を一身に浴びた。九回2死一塁。日本一を決める27個目のアウトを空振り三振で奪うと、東北福祉大・桜井頼は両手を広げて東京の空を見上げた。マウンドに駆けてきたナインにもみくちゃにされ、破顔一笑だ。
「やっと終わったなと。目標を達成できて、感情がないというか、高ぶり過ぎていたというか…。もう気持ちがよくわからなかったです」
史上初の3連覇を狙った青学大(東都)との準決勝(14日)に続き2試合連続の先発。「疲れは感じていた」というが、変化球中心の組み立てで福井工大打線を寄せ付けなかった。七回2死一、二塁では山川を得意のスライダーで空振り三振。118球を投げ、7安打1失点で完投した。
今大会は4試合、23回を投げ、2勝、防御率1・96。ホテルでの生活で果物やオレンジジュースを多く摂取し、疲労回復に努めてフル回転の活躍を見せた。最優秀投手賞を受賞し、山路監督は「すごくいい投手になってくれた」とたたえた。
全日本の舞台は3年ぶり。近年は仙台大の壁に阻まれてきた。うまくいかないことがあると、「下を向く子が多かった」と山路監督。学生たちのネガティブな行動を目の当たりにし、同大OBの指揮官はミーティングで「このユニホームを着るプライドを持ってくれ。すごい選手も出ている学校。誇りに思って、それをつなぐ一人になってくれ」と説いた。佐々木主浩、斎藤隆、金本知憲ら名選手を数多く輩出してきた東北の雄としてのプライドを胸に一致団結。全国の頂点へと駆け上がった。
進路を「プロ一本」と明言している桜井頼は「(仲間には)『ありがとう』の一言。(頼之介の)名前のように仲間に頼られる選手になっていきたい」。ユニホームの胸に刻まれた「TOHOKU」の文字。その強さを証明した。(武田千怜)