■2月26日 箱根駅伝の山上りで名をはせた青学大4年の若林宏樹が「引退レース」として初めて走ったマラソンで、世間をアッといわせたのは今月2日の別府大分毎日マラソンだった。優勝こそケニア選手に譲ったが、日本勢トップの2位で、2時間6分7秒の初マラソン日本最高。日本歴代7位の好タイムだった。
それから3週間。24日の大阪マラソンでは2位で日本勢トップの近藤亮太(三菱重工)が2時間5分39秒で若林の初マラソン日本最高をあっさり塗り替えた。やはり初マラソンの黒田朝日(青学大3年)も6位で2時間6分5秒。若林の記録は歴代ベスト10からもあっという間に消えて(11位)しまった。
入社3年目25歳の近藤は順大時代、4年で初めて箱根駅伝に出場し10区で区間14位だった。テレビ解説などでおなじみの渡辺康幸氏(住友電工監督)はいう。「大学時代、練習で長い距離を踏みマラソンへの抵抗感がなくなるのは箱根駅伝のおかげ。箱根に1回しか出られなかったような選手でも、こつこつ積み重ねた成果を実業団で出すことも多い。近藤はその典型」。
今秋、東京で開かれる世界選手権の参加標準記録2時間6分30秒も突破した。「正直、代表を狙って臨んだわけではなかったのでびっくりした」と近藤。距離に不安がないうえ、無欲で走れることで初マラソンは案外成功する選手が多いというのもうなずける。
「ただ2回目は鬼門。欲が出るし期待もされ失敗する選手が多いのも事実」と渡辺氏。もし近藤が代表になればその2回目が世界選手権。代表は「何回も結果を出し安定した選手」が日本陸連の本音かもしれないが、初心を忘れず「一発屋」ではないことを見せてほしい。(今村忠)