就任会見で力強いポーズをみせる阪神・藤川球児監督=大阪市内(撮影・甘利慈) 阪神の藤川球児新監督(44)が15日、大阪市内のホテルで就任会見に臨んだ。チームを率いることを「運命」と表現し、岡田彰布前監督(66)から直接激励されたことを明かした。背番号は現役時代と同じ「22」。年俸8000万円(推定)で3年契約とみられる。「当然、勝ちにいきます」と宣言した第36代監督のもと、新生タイガースがV奪回へ動き出す。
タイガースカラーの黄色いネクタイを締め、恩師への深い感謝と猛虎の歴史に名を刻む決意を力強く語った。就任会見に臨んだ藤川新監督は、背番号「22」のユニホームを再び着ることは〝運命〟と表現した。
「阪神タイガースは来年90周年を迎える。そして、僕と岡田監督。僕が(プロ)1年目のときに、岡田監督が阪神タイガースの2軍監督1年目。たまたまかもしれないですけど、これも運命なのかな、と。従えばいい」
会見場には報道関係者約120人が詰めかけ、杉山オーナー、粟井球団社長の間で自信に満ちあふれた表情を浮かべた。3年契約とみられ、長期的なチーム強化を託された新指揮官は、目標について「勝ちにいきます。当然、勝ちにいきます」と明言。熱狂的なファンの存在を念頭に「ともにタイガースを日本一にし続けていきたい」と熱く語った。
一方で、バトンを受け取った岡田前監督の話題になると表情が和らいだ。理想のリーダー像に、迷いなく「岡田監督です」と名を挙げた。第1次政権時にリリーフ投手としての才能を見いだしてくれた名将とは酸いも甘いも共有。「一番の恩師で、これからもお世話にならなきゃいけない」と絆を強調した。
この日の午前中。新指揮官はスマートフォン越しに恩師と会話し、タイガースのリーダーを引き継ぐことを伝えた。岡田前監督からは明るい口調で「頑張れよ。また必ず、すぐに行くから」とエールをもらい、背筋が伸びた。フロント入りする恩師の期待に応えるためにも、〝岡田野球〟を昇華させる。
「岡田監督が残した思い、OBの方が89年間残してきた思いをつないで、僕はまた次の世代につながなきゃいけない」
来季に向けて組閣をすすめるコーチ陣にも岡田イズムの継承者が在籍している。虎将を中心に対話を重ね、個々の力を最大限に発揮させる。「コーチに主体的に動いてもらう」と藤川流の方針を示した。さっそく、開催中のみやざきフェニックス・リーグを視察予定。22日に始まる秋季練習から本格的に行うチームマネジメントにも自信をみせた。
「おじいちゃん、おばあちゃん、お子さんを連れて球場に来て、テレビの前でも、ラジオを聞いていても、新聞を読んでも『おもしろいな』といわれるチームを作りにいきます」と誓った。引退した2020年以来の現場復帰。コーチ経験なしでの監督就任となるが「全く僕に関係ないことですよね」と強気に語り、「選手たちが一番荒ぶるのがグラウンドであるという状態に持っていきたい」と戦うチームの姿を描いた。
球児カラーと岡田流の融合で、球団創設90周年を迎える2025年シーズンを戦い抜く。V奪回を目指す虎が新時代に突入する。(新里公章)
■データBOX
◉…藤川球児新監督は阪神の第36代で26人目の監督
◉…投手出身では石本秀一、若林忠志、岸一郎、杉下茂、藤本定義、村山実、星野仙一に次いで8人目。阪神入団では村山以来
◉…藤川新監督は高知商高出身。高卒の阪神監督は藤村富美男、金田正泰(以上、旧制中学)、中西太、藤田平、野村克也に次いで6人目
◉…西武などで活躍した松坂大輔と同じ1980年生まれ。「松坂世代」のプロ野球監督は平石洋介(2018-19年・楽天)に次いで2人目
■藤川 球児(ふじかわ・きゅうじ) 1980(昭和55)年7月21日生まれ、44歳。高知県出身。高知商高から1999年D1位で阪神入団。2013年から米大リーグで3年プレー後、四国IL・高知を経て16年に阪神復帰。20年限りで引退した。21年から阪神のスペシャルアシスタント(SA)、22年から球団本部付SA。最多セーブ2回、最優秀中継ぎ投手2回。2006年、09年WBC日本代表。NPB通算782試合、60勝38敗243セーブ。MLB通算29試合、1勝1敗2S。現役時は185センチ、90キロ。右投げ左打ち。