今季はセ・リーグの新人では史上初となる開幕戦から2試合連続の本塁打を放つなど鮮烈なデビューを飾ったが、その後は調子を落とし、5月16日に出場選手登録を外れた。1軍では守備のミスが目立っただけに、この日は試合前に飛球を捕る練習を繰り返した。
試合に勝ってハイタッチ交わすDeNA・度会隆輝(右)ら=ZOZOマリンスタジアム(撮影・田村亮介)横浜高では1年春からベンチ入りを果たし、ENEOSでは1年目から定位置をつかんだ。エリート街道を歩んできた21歳がプロになって経験した「見る側の立場」。表向きには変わらず明るいが、青山2軍監督は「内心はつらい部分があったはず。それでもベンチで声を張り上げていた」とファームでの様子を明かす。
2回、適時三塁打を打ち、三進するDeNA・度会隆輝=ZOZOマリンスタジアム (撮影・山田俊介)強みの打撃も鍛え直し、イースタン・リーグでは18試合で打率・324(68打数22安打)、1本塁打、8打点と好成績を残した。「一つじゃない。一から見直すくらいの気持ちだった。追求してきたから理想のスイングができた」。主力の宮崎ら故障者が続出したチームは苦しい状況が続く。降格前、主に1番だった度会はプロ入り初の9番で出場。「起爆剤になってもらいたい」と送り出した三浦監督は「いい働きをしてくれた。(ナインが)勢いづいた」とねぎらった。
返り咲いた1軍で脚光を浴び、出身地の千葉・市川にほど近い球場で再出発を決めた期待の新人。「お客さんの量、雰囲気、全部が(2軍と)違う。この環境のありがたさを分かるようになった。もっとこの舞台でやりたい」。止まっていた時計の針が、音を立てて動き出した。(鈴木智紘)