米大リーグ、ホワイトソックスとのオープン戦の5回、2ランを放つドジャースの大谷翔平=27日、アリゾナ州グレンデール(共同) ■2月29日 こういうホームランは昔なら必ず『名刺代わりの一発』との見出しがついたものだ。ドジャースに移籍した大谷翔平が、ホワイトソックスとのオープン戦に初出場し3打席目に左翼席に移籍1号の2ランを打ち込んだ。3点を追う五回の2死二塁、フルカウントの6球目。詰まったようにみえたが、打球はグングン伸びていった。
エンゼルス時代の赤から代わったドジャーブルーもよく似合う大谷が、日本の朝をパッと明るくする季節が今年も来た。現地アリゾナ州グレンデールの球場では、平日なのにチケット売り場に開始5時間前から大谷目当ての行列ができたほどだった。どこへ行こうが〝名刺〟など無用だ。
いきなりのホームランにロバーツ監督は「彼のキャリアにとっても大きい。もっともっと打ちそう」と舌を巻いたが、大谷自身は「まだ1試合目なのでこれからだけど、しっかりとチームに貢献して早く認めてもらえるよう頑張りたい」。超がつくスーパースターにして、こんなすがすがしい談話を聞かせてくれるのが大谷の真骨頂でもある。
かつて日本を代表したスーパースター長嶋茂雄は立大から巨人に入り〝できたての名刺〟を持って58年3月のオープン戦に臨んだ。高知での初戦の阪急(現オリックス)戦で八回無死満塁に左腕梶本からプロ初ヒットの逆転タイムリーを放つと翌日は高松で左翼へ第1号。後楽園(現東京ドーム)の株価が90円から一気に111円に上がったという伝説もある。
たかがオープン戦、されど…。環境が変わってもオープン戦から存在感をみせつけることで公式戦でもここぞというときに必ず光り輝く。真のスーパースターはかくあるべき、ではないか。(今村忠)