後半、攻め込むINAC神戸・北川(右)。左はちふれ埼玉・吉田=サンガS サッカー皇后杯全日本女子選手権第11日(20日、サンガスタジアムbyKYOCERA)準決勝2試合が行われ、7大会ぶりの優勝を目指すINAC神戸が延長戦の末に3-2でちふれ埼玉を下し、2大会連続の決勝進出を決めた。決勝は27日、大阪・ヨドコウ桜スタジアムで行われる。
最後の最後まであきらめない。そんな執念が延長後半15分に実った。ロスタイム突入まで残り10数秒。左サイドの北川がゴール前に放り込んだボールは混戦の中、誰にも触れることなく、ワンバウンドして遠いサイドのネットを揺らした。
「いつもはインフロントで巻いて、(ゴール前の選手に)合わせに行くボールを蹴るんですが、何か起こるボールをと、ストレートで上げました。そのまま入って自分でもびっくりでした」
熱戦に終止符を打つ得点。駆け寄ったチームメートにもみくちゃにされた北川はそう言って破顔した。
主将のエースFW、田中のPKで先制しながら追いつかれた。守屋のゴールで再び勝ち越したが、後半38分に同点とされ、延長戦に。「相手がブロックを敷いてしっかり守ってくるのは分かっていた。難しい試合になると予測していた」とフェロン監督。相手の堅い守りと鋭いカウンターに苦しめられながらも、じれずに攻め手を探り続け、最後は持ち味のサイドから突破口を開いた。
「厳しい試合だったが、勝てたことが自信になる」と田中。指揮官は「選手たちが強いメンタルを発揮してくれた」と強調した。
石川・金沢市出身の北川は元日の能登半島地震で被災した人たちへの思いを持ってプレーしたという。豊富な運動量を持つINAC神戸新加入のサイドアタッカーは「自分は石川に対しての思いがあるので、優勝してしっかりと元気づけられたらと思います」。古里のためにも、タイトルを奪取する。(北川信行)