参列者は祭壇でほほえむ蛾次郎さんの遺影を背に故人をなつかしんだ山田監督(左)と前田=東京都千代田区(撮影・尾崎修二) 昨年12月に死去した俳優、佐藤蛾次郎さん(享年78)のお別れの会が2日、東京都内で営まれた。代表作「男はつらいよ」シリーズで共演した俳優、前田吟(79)ら関係者約130人が参列。故人を同シリーズに起用した山田洋次監督(91)は「長い間、よくやってくれた」と感謝した。喪主は長男で俳優、佐藤亮太(50)が務めた。
トレードマークのもじゃもじゃヘアで親しまれた蛾次郞さんが旅立ってから8カ月―。「男がつらいよ」シリーズの主人公、寅次郎を慕う柴又帝釈天の寺男、源公役で愛された名優と〝再会〟するために寅さんファミリーも駆けつけた。
佐藤蛾次郎さん「お別れの会」で参列者に配られた御礼のカード =東京都内胡蝶蘭、アジサイ、バラなど白を基調にした祭壇中央には、照れくさそうにほほえむ故人の遺影と遺骨が置かれた。あいさつに立った山田監督は、1968年公開の映画「吹けば飛ぶよな男だが」のオーディションで初めて出会った日を振り返り、「極めて強烈な印象でね」としみじみ。「顔といい、しゃべり方といい、声といい、もう決まりだなとプロダクションの人に言ったら、『あまりおすすめしません。開始時間には来ないし、ご迷惑をおかけしますから』と言われてますます気に入ってしまった」と笑いを誘った。
その後、69年から始まった映画「男はつらいよ」シリーズで寅次郎の〝弟分〟源公を演じ続け、国民的存在となった蛾次郞さんについて「渥美(清)さんが寅さんとして死んだように、源ちゃんとして死ねたんじゃないかな」とたたえ、「君は僕より若いのに先に逝くなんて…。でも、長い間よくやってくれた。ありがとう」と深く感謝した。