ケラーはコロナによる入国制限の影響で来日したのは3月中旬。調整不足のまま開幕を迎えた。直球は140キロ台。得意のカーブも「プロフィルと違うじゃないか」と思うほどだった。
それから4日後の同29日の広島戦(マツダ)は2-1の九回にマウンドにあがるもリードを守り切れず、サヨナラ負け。矢野監督はわずか2試合で配置転換を飛び越えて2軍降格を命じた。
阪神はリーグワースト記録を塗り替える開幕9連敗。4月中旬には借金が最大「16」まで膨らんだ。「優勝してもおかしくない戦力」。評論家の前評判は高かっただけに誰もが驚いた。「開幕戦で勝っていれば、また違った展開になっていたかもしれない」とあるコーチは嘆いたが、後の祭りだ。
ここから本題へ。来季は新監督のもと、巻き返しをはかるシーズンとなるが、どこから手を付けるべきか。最優先は、クローザー問題だろう。
30年近くプロ野球を取材しているが、今年ほど先発投手が序盤に打ち込まれて大敗するよりも、クローザーがリードを守り切れず、逆転負けを食らうほうがチームにとってダメージは大きい―と感じたシーズンはなかったから。
笑顔のカイル・ケラー来季のクローザー候補の最有力はケラーだ。2軍調整を経て、6月上旬に1軍再昇格すると、新たに習得したフォークを駆使して17試合連続無失点。不調の岩崎に代わって一時はクローザーに昇格し、2勝3セーブを挙げた。