「一見、能力バトルものなのかな?という雰囲気を醸し出しながら、やっていることはコメディーで、テーマは家族愛。取り繕いながらも家族愛に向かっていく姿が、幅広い層に人気を得ている理由じゃないですかね。エグいくらい『家族で見ている』と言われます」
ホームコメディー、学園コメディーの笑いと涙。それでいて根底に流れるのは、東西冷戦をモチーフにしたスパイサスペンスの緊張感。ロイドに課された「仮初めの家族づくり」と名門小学校でのアーニャの友だちづくりは始まったばかりで、ヨルの秘密も全貌は明かされていない。10月以降のお楽しみだ。
大胆なプロモーション。老若男女を引きつける笑いと涙と謎が詰め込まれた「SPY―」のために、テレビ東京は土曜午後11時にアニメ枠を新設して放送した。広告も壮大なスケールで展開し、渋谷の街をジャック。番組公式ツイッターのフォロワーは毎週5万人ペースで増え続けた。
異例は放送時間だけではない。オープニングにOfficial髭男dism、エンディングに星野源(41)と、人気アーティストを主題歌に起用した。「どういう口説き方をしたのかなって。テレビドラマでも髭男さんと星野さんがダブルで主題歌って、ありえない」と江口。来年3月のミュージカル化が決まり、メディアミックスも進む。
「ファミリーはまだそろっていないので、これから見どころがどんどん増えてくると思う。チームの士気はとても高いので、さらにパワーアップしたものをお届けできれば。各世代に見ていただいているというのは『国民的作品』と言えるくらい。そのレベルだと思います」と胸を張った。
第2クールでは、ほのぼのムードが一転、疑似家族が力を合わせて世界を救うドキドキの展開が待ち受けている。笑いと涙と謎。熱狂させる要素満載の「SPY―」にハマるには、まだ遅くない。
◆「珍しい現象」3人ともしゃべらない声優 アーニャ役の種﨑は「魔法使いの嫁」の主人公・羽鳥チセ、ヨル役の早見は「賭ケグルイ」シリーズの主人公・蛇喰夢子などを担当し、ともにアニメ界を代表する人気声優。劇中では賑やかな一家を見事に演じているが、アフレコ現場は真逆!? 江口は「わりと3人とも静かなタイプで、必要以上にしゃべらないというか(笑)。声優は話し好きが多いので、珍しい現象」と個々の時間を大事にし、現場ではじけるチームプレーを実感する。先月には3人で「星野源のオールナイトニッポン」のゲストに呼ばれ、スパイ一家に劣らぬ〝最強声優トリオ〟に。「3人でキャラクターソングとかできたら楽しそうですね」と相乗効果は尽きない。
◆江口拓也プロフィル◆
★生年月日 1987(昭和62)年5月22日生まれ、35歳
★出身 茨城県
★愛称 えぐー
★デビュー 2008年「真救世主伝説 北斗の拳 トキ伝」
★受賞 12年、第6回声優アワード新人男優賞
★代表作 「ULTRAMAN」(19、22年)の諸星弾、「東京リベンジャーズ」(21年)の半間修二など
★趣味 お酒を飲むこと。「隣になったおじさんと話したりするのが好きです」