「Tポイント×ENEOSトーナメント」を9位で終了した横峯さくら 国内ツアー通算23勝の元賞金女王が投じた一石は、ツアーを変えるものになるのだろうか。前週の「Tポイント×ENEOS」の期間中、会場の鹿児島高牧CCにあるロッジの一室が、育児ルームとして開放された。
きっかけは昨年2月に長男・桃琉(とうり)君を出産した横峯さくら(36)=エプソン=の要望だった。産後4カ月で復帰して9試合目。産休明けでは最高の9位という成績は「すぐに子供に会えるのはうれしい。なるべく一緒にいたいと思って」と話すメンタル面の充実も大きかったはずだ。
2015年から米ツアーに参戦していた横峯は「価値観が変わった」と母になっても活躍する選手たちに刺激を受けた。各会場にはママさんプロを支える託児所がある。だが、今季から主戦場を戻した日本にはない。
「母親になってもゴルフは続けられる。ほかの人にもやってほしいと思う。そんなメッセージを少しでも発信したい」
こう話していたのは、妊娠7カ月で出場した20年11月の試合だった。今回、桃琉君の世話は母・絹子さんがみていた。米国のようなシッターはいない。それでも横峯は「0が1になった。大前進だと思う」と喜んだ。
永久シードまで7勝。大きな目標と同時に女性が働きやすい環境づくりを目指す、もう一つの戦い。その思いが、女性の団体である日本女子プロゴルフ協会、そして、いずれ母となるであろう若手にも届くことを願っている。(臼杵孝志)