目を潤ませて千秋楽まで完走することを約束した朝夏(中央)と、左から前田美波里、別所=山形市(C)写真提供/東宝演劇部 さまざまな思いで開場を待つ「マイ・フェア・レディ」の観客=山形市18日に急死した女優、神田沙也加さん(享年35)の父で俳優、神田正輝(71)が25日、大阪市のABCテレビでレギュラーを務めるテレビ朝日系「朝だ!生です旅サラダ」(土曜前8・0)に生出演。「僕は元気ですよ」と気丈に振る舞い、プロ魂を見せつけた。山形・やまぎん県民ホールでは、故人の主演ミュージカル「マイ・フェア・レディ」が1週間ぶりに公演を再開。ダブルキャストで主演する女優、朝夏まなと(37)は涙ながらに完走を誓った。
悲しみを乗り越え、キャスト全員が一丸となった3時間の舞台。全4回行われたカーテンコールの3回目、沙也加さんと同じイライザ役の朝夏が「とても悲しく、とても寂しいです」と切り出し、声を詰まらせた。
「でも、この伝統ある愛してやまない作品を守り続けていきたいと心から思いました」と、1週間ぶりの上演に込めた思いを告白。「さぁちゃん(沙也加さん)の思いも一緒に、1月28日の大千秋楽まで、一回一回大切に努めて参りたいと思います」と力強く誓うと、総立ちとなった約1300人の観客も涙を流し、惜しみない拍手を送った。ヒギンズ教授役の別所哲也(56)も目を赤くした。
「マイ・フェア・レディ」会場関係者によると、キャストやスタッフは前日24日に現地入り。この日の本番前には稽古に励み、気持ちをひとつにした。午後5時の開演を前に、同3時半頃から多くの観客が続々と会場入り。今季一番という寒波の影響で、会場周辺には沙也加さんが亡くなった日と同じく雪が積もった。
パンフレットやポスターなどに変更はなく、朝夏とともに笑顔で写る沙也加さんのポスターが観客をお出迎え。公演再開発表時にホームページに掲載された、朝夏や、沙也加さんとコンビを組んでいた寺脇康文(59)らのメッセージも展示され、来場客の涙を誘った。グッズ売り場にも長蛇の列ができた。
ダブルキャストで構成される同作だが、沙也加さん、寺脇、前山剛久(30)が出演する「チームK」は降板し、今後は全公演を朝夏、別所、寺西拓人(26)の「チームA」で上演。沙也加さんの笑顔を胸に、最高のステージを届ける。
★ファン「つらい思いを」 悲報から1週間。再開された公演に、ファンもさまざまな感情が入り乱れた。山形市在住の40代女性は「沙也加さんが舞台で楽しそうに歌う姿をもう見られないのは、本当に悲しいです」としみじみ。宮城・仙台市から訪れた50代女性は「出演者の皆さんもつらい思いをしていると思うけど、沙也加ちゃんの分まで最後までやりきってほしいです」と出演者をねぎらった。
★悩み相談窓口 厚労省は、生きることに悩んでいる人々に、電話などで相談してほしいと呼びかけている。HPで紹介している主な電話相談窓口は次の通り。SNSの窓口の紹介とQRコードも表示している。
▽いのちの電話
(0570)783556(午前10時~午後10時)
(0120)783556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▽こころの健康相談統一ダイヤル
(0570)064556(対応の曜日・時間は自治体により異なる)