97年は野村監督の下で開幕から首位を譲ることなく、2年ぶり5度目のリーグ優勝と4度目の日本一に輝いた。MVPは捕手の古田。ホージーは38本塁打を放った。宮本、土橋、飯田らも活躍し、投手陣は田畑が15勝、吉井が13勝を挙げるなど、チーム全体が機能した年だった。
殊勲の一打を放った19歳には、どうしても打ちたい理由があった。2016年4月14日、地元の熊本で震度7の大地震が発生した。当時は九州学院高の2年生。練習後に自転車で自宅に帰る途中だった。
村上は「本当は地震のことをいうのは嫌なんです…」と前置きしながら、「揺れの恐怖。一日一日、生きているということを感じていました」と当時を振り返った。
熊本市周辺では家屋が倒壊し、母校の体育館は被災者の避難場所だった。あれから3年-。復興に向けて、動き始めた故郷に、元気な姿を届けたかった。
プロ2年目で初の開幕スタメンを勝ち取った。ここまで全15試合に先発出場し、打率・192、3本塁打、7打点。苦しみながらも、19歳は一歩ずつ前に進んでいる。
今季最初の首位攻防戦で巨人に勝ち越し、貯金は5。開幕からセ5球団との対戦が一巡し、4カードで勝ち越した小川監督は「首位というのは気にしないことはないけれど、まだ始まったばかり。勝ち越したことは自信にしていいと思う」とチームを引き締めた。
97年の日本一から22年。当時と同じ、猛練習で鍛え上げられた燕軍団は、4年ぶりのV奪還に突き進む。 (横山尚杜)