鮮やかな成長曲線に目を見張るばかりだ。クーバー・コーチングの小沢英之コーチ(38)は中島が10得点10アシストに達したプレーを映像で確認した。恩師は教え子が幼少期に積んだ鍛錬が生きていると分析する。
「利き足ではない左足でループシュートを決める選手はあまり見たことがありません。昔繰り返していた練習の成果が表れているようでした」
小学3年でスクールに入った中島の向上心は人一倍だった。人前ではばからず「バルサ(スペイン1部のバルセロナ)に行きたい」と口にした。元ブラジル代表FWロナウジーニョに憧れ、練習着はセレソンの黄色いユニホームだった。
100種類に及ぶボールコントロールのメニューがあるスクールで、個人技を磨いたのがドリブラーの原点だ。試合形式の練習では、足先でボールを外に押し出し、1個分動いたタイミングで一瞬にして内に戻すフェイント「エラシコ」を披露。ロナウジーニョの代名詞を、なんとボールが不安定な空中で決めた。
中島の行動力も群を抜いていたという。サッカー経験者の小沢コーチはマリナーズのイチローが取り入れる初動負荷トレーニングを実践していた。関節の可動域が広がり、しなやかな体作りができると知られる。当時中学生で股関節の硬さを気にしていた中島に、小沢コーチはイチローの話を交えて効果を伝えた。