10月上旬のことだった。フェニックス・リーグ取材のために宮崎に出張していた虎番・新里公章のスマホが鳴った。「掛布雅之監督」という画面表示。背筋が自然と伸びた。
「悪いけどさ…。ユニクロにいって、パジャマを買ってきてくれないか?」
ホテルの自室にいた新里は直立不動でうなずいた。わかりました。それにしても一体どうしたんですか? とも聞いた。
「実はなぁ、俺、寝間着、1着しか持ってきてなかったんだよ。思っていた以上に暑くてねぇ」
パジャマを買ってくることに断る理由なんてないけど、監督、本当にユニクロでいいんですか?
そんなことを思いながら、いろいろと希望を聞くと、どうやら、お気に入りのものがあるらしい。やや薄手の長袖&長ズボン。上下セットで売っているはずだという。
「肌触りが最高にいいんだよ」
新里は取材ノートにペンを走らせ、自分のホテルを飛び出した。
ユニクロに到着。パジャマ売り場を見つけた。ところが…。もう、10月。厚手のものしか見当たらない。まずいぞ…。