「それは、また、あした」
口説き文句について問われた指揮官は、さらりとかわした。魂を込めた言葉は直接、糸井に伝えたい-。02年オフ、自身が広島からFA宣言した際に、当時の阪神の星野監督に猛烈に口説かれ、タテジマに袖を通した。FAする側の心境は、よく分かる。同時に、監督自らが熱く伝える言葉の重みも、身に染みてわかっている。
今季、打率・306、17本塁打、70打点をマークし、53盗塁でタイトルを獲得した糸井。衰えを知らない男は就任2年目の来季、優勝を目指す上で是が非でも欲しい戦力だ。口説き文句と熱意をカバンに詰め、指揮官は練習後、恋人が待つ大阪へ飛び立った。 (高瀬悟嗣)
★2002年オフの金本知憲のFA宣言
広島の主砲だった金本は当時、34歳。FA交渉解禁日の11月13日に阪神と初交渉を行うと、15日には星野仙一監督(当時)を交えて、2回目の交渉。阪神入団を表明した。当時を振り返り、星野監督から「一緒に優勝しよう」「お前はタイガースに来ることになっているんや」など、なかば強制的に、熱く口説かれたことを明かしている。