阪神安芸秋季キャンプ(6日、安芸タイガース球場)アニキ直伝、20発打法だ! 阪神・金本知憲監督(48)が、北條史也内野手(22)に30分以上に渡って直接指導を施し、金本流の肘を入れるスイングを伝授した。秋季練習では将来的なシーズン15本塁打を期待していたが、飲み込みの早さに「15から20(発)は行けると思う」と上方修正。来季の3番の可能性まで示唆した。
大木に育てたい木は、すぐに実をつけスクスクと伸びる。北條という名の秋の大収穫に、金本監督が今度は「20発打法」を伝授した。打球を変えるのは肘の使い方だ。
「しっかり肘を入れて(バットを)しならせる。ムチのように。(北條と高山は)12、13(発)は打てると思うね、俺は。将来的に15から20は、いけると思う」
太陽が高く昇った午後1時すぎ。最初の組でフリー打撃を終えた背番号「2」をつかまえると、一塁ベンチ前へ連れていった。そのまま約30分間も面と向かって肘の使い方をレクチャー。ノックバットを手に、体に巻きつくような鋭いスイングの手本を繰り返した。
指揮官は現役時代、自ら乳首打法と命名したのが、右打者なら右肘が右の乳首にぶつかるくらい肘を入れる打法。スラッガーに共通する肘の使い方だ。何度も言葉を交わし、最後は「わかったか、りゅうちぇる(北條)!!」とイジり、スタンドがドッと湧いた。
北條も自分のものにしようと必死だ。「右肘をたたむというか、腹筋の方にもっていく。ヘッドが効くし、ドアスイングだと(バットの)しなりが使えなくなるので。衝突だけの力になってしまう。押し込みができる」と早くも手応えを得た。
この飲み込みの早さこそ、若虎の魅力。金本監督は「シーズンが終わって内容も打撃の形というか、一番伸びとる感じがする。グッときとるね、やっぱ。打ち方もよくなっているし、打球の強さ、飛距離。吸収が早いから、どんどんどんどん次のステージにいけるわ。生意気やけどな」とうれしそうに話した。
秋季練習の10月10日には「3割以上、15(発)。俺はいけると思うんだけどな」と話したが、期待は徐々に確信に変わりつつある。その証拠が「20発」への上方修正。いつかは…と期待していた3番起用についても、「3番を打つ力をつけてくるかもしれない。ひと冬越したら」と、来季の可能性まで広げた。
本人は「将来的には3番も、とは思っていますが、まだまだ全然ダメ。自分次第です」と必死に汗をぬぐったが、金本打法のマスターが進化の鍵になることは確かだ。
「飛ぶし、芯にあたる確率が上がる。質のいい打球になると思うし、本塁打も増えると思う」と金本監督。食らいついてくる北條に、全力で自身のエキスを注ぐ。 (長友孝輔)