サンスポ

【虎のソナタ】思い出す03年内弁慶シリーズ

広島-日本ハムで争う2016年の日本シリーズは内弁慶シリーズ。2003年の星野阪神-王ダイエーの再現!?

 阪神は空路、いよいよ秋季キャンプのため高知県安芸市に乗り込んだ。

 この時期は安芸は天国だ。黒潮躍る太平洋の幸がちょっとしどけない姿でおいでおいでをしているんだ。それを会社の金で取材して、あとは旬のものを食って…いいよなぁ…編集局の窓際からせいぜい社食に行くぐらいで、あとは一歩も出られないカゴの鳥…鰹のたたきに♪逢いたさ見たさにコワサを忘れ…(古いってか? ほっといて)

 「そんな気楽な話じゃないですョ。僕なんか急きょすぐ安芸へいけ! となりまして飛行機が満席。それでJRで岡山-大歩危小歩危-高知です。それも空路の金本監督より先に安芸に着かないといけないわけでして…」とは高瀬悟嗣のシマラナイ電話である。

 とにかく『超変革パート2』旋風も瀬戸内海を渡った。

 「敵地で2敗して、甲子園に戻って3連勝…そしてまた福岡に戻って結局連敗して…当時は内弁慶シリーズと呼ばれてましたなぁ…」と当番デスク席で大沢謙一郎がポツリという。彼は2003年の星野阪神と王ダイエーの日本シリーズを思いだしていたのだ。


 「正直、今年のシリーズはいきなり広島が連勝、それもいい形での勝利やから僕は慌てて広島日本一のコンテを作ったのですが、2戦目が終わった時点でソフトバンク担当の安藤理(おさむ)がこう言っていたんです。『まだまだですよ。3番・DHに大谷が入る日本ハムの強さは僕が一番知ってますから』。そしたら3戦目から3連勝で一気に王手。逆転優勝されたソフトバンク担当として大谷のすごさを知ってますからねえ」

 2003年の10月27日、星野阪神はシリーズ最終戦で2-6とダイエーに敗れて…日本一を逃がした。あれと同じ○○●●●…そして今日再び舞台は広島。大沢はこの星の並びを昨日のことのように鮮明に記憶していた。それというのも当時はダイエー番の応援として福岡に駆けつけて、王手をかけられた第6戦の試合前、関係者食堂で王監督(現ホークス会長)とコーヒーをのんでいた。その時に王監督は少しも切羽詰まった顔なんかしていなかったらしい。いつものようにデンと落ち着いていた。そこに島田誠外野守備走塁コーチが通りかかったら「おい、今日は(阪神の先発は)伊良部だろ。いくつ盗塁するんだ? 伊良部なら走れるだろう」なんてバナナのたたき売りみたいな感じで自信満々だったそうだ。試合がはじまると本当にホークスは広島のように足攻をみせてまんまと伊良部を攻略していった。


 そして…13年前のこの10月28日、史上初の7戦とも「ホームチームが勝つ」という日本シリーズはホークスが制して終幕し、星野監督が勇退…岡田新監督の誕生の記者発表が今は亡き久万俊二郎オーナーが同席して行われた。

 つまりこの28日は阪神が星野監督より11歳若い岡田新監督という秘蔵っ子にバトンを託した日なのだ。

 この時、岡田彰布45歳。キリリと言った。

 「最後に負けた。最終目標はまだ一つ残っている。私はそれに若さで応えたい」悲願はまだ朽ち果てていない…。

©2026 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.