村田(左)はエンダムの激しい攻めを鉄壁のガードで封じた
2013年のプロ転向時の村田は右のグローブでアゴを守るL字ガードスタイルを模索していた ギャラリーページで見る アッサン・エンダム(33)=フランス=との再戦で、村田諒太(31)=帝拳=の原動力になったのは、同ジムの本田明彦会長(70)が「世界一」と絶賛する鉄壁のガードを軸とするスタイルだ。
グローブで固めたガードでエンダムのジャブ、ストレートを弾き返し、前進して重圧をかける。右ストレート、左ボディーを浴びせ続け王者の戦意を喪失させた。
技術面で試行錯誤した。2013年4月、デビュー前の公開練習で体を半身にして左手をLの字に曲げて下げ、右手のグローブでアゴを守るL字ガードスタイルを披露。スピードを生かすためのプロ仕様のスタイルだ。8月のデビュー戦では東洋太平洋王者の柴田明雄(ワタナベ)を右ストレートでリングに沈めた。
その後もキャリアを重ねたが、初めて米ラスベガスのリングに立った15年11月のプロ8戦目が転機になった。ガナー・ジャクソン(ニュージーランド)へ積極的に仕掛けながらダウンを奪えず。
「重心が後ろに残ってパンチに力が乗っていなかった。自分の中で落ちるところまで落ちた」と失意を味わい、原点回帰を決意。ガードを固めて前進しロープ際へ追い込んでねじ伏せる。12年ロンドン五輪で金メダルをもたらし、世界王座に導いた現在のスタイルだ。
「今のスタイルがベースだがパンチ力を磨き、スピードも…」。ベルトを手にしても技術は発展途上。今後も完成形を追い求める。 (取材・構成 伊藤隆)