原監督にとって今季は2年契約の2年目だった。7月の球宴前と今月5日に東京・大手町の読売新聞東京本社を訪問した指揮官に、渡辺球団最高顧問と白石オーナーからの続投要請はなかった。指導力が問われるコーチ陣に責任を押しつけるのではなく、自らが身を引くことで、チーム改革を進める決断を下した。
誰の目にも明らかな敗因は攻撃陣の衰え。リーグ3連覇を果たした昨季はチーム打率・257(リーグ5位)、今季はさらに・243(リーグ最低)と下降。中心選手の高年齢化に加えて、坂本、長野ら軸となるべき選手も不振にあえいだ。
今季前半は川相ヘッド、村田総合、清水打撃の各コーチに打撃指導を任せていたが、待てど暮らせど、状態が上がってこない。たまりかねた指揮官は、右肩に痛み止めの注射を打ちながら、ベンチ裏で直接指導を行うようになった。本音は打線の固定化だったが、昨季に続き「やりくり」でしのいでいくしかなかった。
「水は流れないと腐ってしまう」-。原監督がよく使った言葉だ。熟考した上での辞意表明だった。 (巨人担当キャップ・桜木理)