(セ・リーグ、DeNA4x-3阪神、11回戦、DeNA7勝4敗、3日、横浜)予報を裏切って雲が薄くなった夜空に、美しく弧を描いた。球団通算1万試合到達に花を添えるはずの一発は、まさかの空砲。自身のミスもあっての敗戦に、阪神・鳥谷は険しい表情で球場を去った。
「明日がんばって、勝つしかないです」
2-0の六回二死。井納の内角高めの直球を完璧にとらえた。右越えに4号ソロ。主将の15試合ぶりの一発が虎を勢いづけた。
「追い込まれたし、なんとか塁に出ようと思ったのがいい結果につながりました」
球団史を飾る試合に、チームの顔が活躍。シナリオは用意された。ところが、暗転した。八回の守備で、一死から関根の平凡な遊ゴロを一塁へ悪送球。九回の悲劇だけでなく、結果的に八回に失策から1点を返されたことも痛かった。
背中に負傷を抱えながらの出場だ。6月20日のヤクルト戦(甲子園)で受けた死球の後遺症で、最近5試合は下位打線。この間は17打数8安打と好調も、平田ヘッドコーチは「(周囲には)分からないだろうけど相当無理をしている」と、苦境を明かしている。
守備に精彩を欠いたのも、少なからず影響があるはず。異変と戦いながら、1540試合連続出場と506試合連続フルイニング出場。それでもグラウンドに出る以上、言い訳があるはずはなかった。
「(1万試合は)全然知らなかったし、意識もしていなかった。その中でやれているのは光栄なことですが」
1万試合のうち、鳥谷は1619試合に出場している。球団史に深く名を刻むことになる背番号1は今季、横浜で打率・435、2本塁打4打点。悔やしさをすぐに晴らしてくれるはずだ。 (安藤理)