まさしく死角がない。球界を代表する打者として、その姿からは貫禄が漂うようになってきた。開幕から約1カ月。3、4月を三冠王の成績で締めくくった阪神・佐藤輝明内野手(27)が、完璧なスタートダッシュの要因を分析した。
「技術もそうですけど、いい準備ができているということだと思いますね。今までやってきたことがいい経験として、しっかり成長できているんじゃないかなと思います」
今季でプロ6年目を迎えた。3月27日、巨人との開幕戦(東京ドーム)こそ4打数無安打に終わったが、第2戦から3試合連続でマルチ安打。4月3日の広島戦(マツダ)で打率・286となったのを最後に3割以上をキープしている。
「そりゃ見ますけど…というか目に入りますね。でも、特に気にすることはないというか。本当は見てもいいことはないんですけどね。悪いときは特に見ない方がいいと思いますけど。悪いよりはいいかなって」
4月終了時点で打率・376、25打点はリーグ単独トップの位置につけている。7本塁打もチームメートの森下と並んで1位タイ。球場のスコアボードに燦然(さんぜん)と輝く三冠王の成績がスタートダッシュ成功の証しだ。
佐藤が振り返ったように、今季は特に「準備」という言葉を繰り返すようになった。試合前練習での最終調整、相手投手のデータ整理、コンディション管理。多岐にわたる準備を、ここまで培ってきた5年間の経験を生かしながら行っている。昨季の本塁打王&打点王のタイトルはその準備の成果が開花したということ。今季はそれを安定して継続させるという段階にまで昇華させている。
「まだシーズンは長いので(ここからどうなるか)分からないですけどね。いまのところはしっかりできているのでいいかなと思っています。これをどう継続させていくか、ですね」
油断も慢心もない。冷静に淡々と己の現状を見つめるその姿。だから、虎の4番として、球界を代表する打者として、貫禄と風格が出てきた。進化を続ける佐藤輝明が今季どこまで成績を伸ばしてくれるか、注目したい。(原田遼太郎)