始球式を務めた坂本花織さん。銀盤を彩った世界女王は神戸市出身の虎党だ (セ・リーグ、巨人5-7阪神、7回戦、巨人4勝3敗、2日、甲子園)新緑が目にまぶしい大型連休のド真ん中。快晴の甲子園で4番の佐藤輝明が3試合連続猛打賞、8号アーチを含む4安打と大暴れし、開幕から続いていた本拠地での巨人戦連敗も「3」で止まった。多くのチビっ虎たちの笑顔が輝いたが、この日はなんだか試合前から取材現場に爽やかな風が吹いていた。
始球式に登場したのはフィギュアスケートの女王で、神戸市出身の坂本花織さん。今年2月のミラノ・コルティナ五輪で銀メダルを獲得し、3月の世界選手権では4度目の優勝という金字塔を打ち立てて引退した、関西の、日本の宝だ。
この晴れ舞台を、前のめりで見つめていたのが若手虎番の中屋友那だった。「坂本さんは僕にとって同学年のスター。そして実は、浅からぬ縁があるんですよ」と取材担当を立候補した。聞けば、坂本さんが神戸学院大の入学式で新入生代表のスピーチを務めた際に、隣で一緒に大役を担った青年が中屋の高知高の同級生だったのだという。たしかに深いような、ちょっぴり浅い気もする縁だが…。思い入れの通り、囲み取材ではきっちりと深く掘り下げた。
坂本さんの耳元で光る、虎ロゴのピアスを見逃さなかった中屋。すかさず質問をぶつけ「幼稚園時代の友人の親御さんが球場で働いていて、始球式の前に頂いたんです。せっかくならつけようと思って」という秘話を引き出したのだ。周囲の記者から「よく見てるね~」とたたえられて照れていたが、その観察眼、恐るべしである。