フォトセッションで握手する阪神・藤川球児監督とソフトバンク・小久保裕紀監督=みずほペイペイドーム(撮影・渋井君夫) 「SMBC日本シリーズ2025」は25日にみずほペイペイドームで開幕し、阪神とソフトバンクのセパ優勝チーム同士が顔を合わせる。阪神・藤川球児監督(45)は24日、ソフトバンク・小久保裕紀監督(54)との監督会議と前日会見に臨み、ともに今季限りで退任したヤクルト・高津監督とDeNA・三浦監督からエールを受けたことを明かし、「その人たちの気持ちをぶつけたい」と決意を語った。
激戦を経て、いまがある。圧倒的な強さを示した虎の陰に、涙をのんだ同志がいる。日本シリーズの舞台でかけるのは、セ・リーグの威信。藤川監督は忘れられない〝別れの言葉〟を胸に、最終決戦へ飛び込む。
「リーグ制覇をしたときには、今シーズン限りで退任されたヤクルトの高津監督、ベイスターズの三浦監督、そのお二人から『ぜひセ・リーグを代表して勝ってきてくれ』と。そういうふうな言葉をいただきました」
明かしたのはソフトバンク・小久保監督と向かい合った監督会議冒頭のあいさつだった。名前を挙げた2人は、ともに日本一に導いた経験を持つ先輩指揮官。今季最後の対決を終えたときには甲子園で花束を渡したこともあったが、真剣勝負を終えた後に、日本一へ向けたエールを送られていた。
「胸と胸を突き合わせて戦う。勝者も敗者もある。だけど常に気を張って、みなさん24時間、野球に時間をかけてやってきていたと思うので、その思いは大事にします」
集団を率いる監督の境遇を分かち合える者として、託された願いの重さも理解するところだ。今季のセ・パ交流戦はパ・リーグの63勝に対し、セ・リーグは43勝(2分け)。阪神も8勝10敗と負け越し、「こてんぱんにやられまして」と事実は正面から受け止める。ただ、その悪しき記憶を消し去れるのも日本シリーズであり、成せるのは猛虎だけだ。「他5球団のファン、選手、スタッフ、それから退任されたお二方、監督さんを含めて、その人たちの気持ちを明日からの戦いでパ・リーグ代表のソフトバンクさんに、ホークスさんにぶつけたいと思います」。決意あふれる敵将の前での堂々宣言をもって、熱戦の火ぶたは切られた。
「ビジターゲームというのは非常に、乗り込むということを、ワクワクするチームに仕上げていますから、本当にワクワクしかない。あしたが待ち遠しいですね。われわれの集中力を見てほしい」
過去、福岡での日本シリーズは7戦7敗だが、荒々しく、楽しみながら立ち向かう。基本的な考えはこれまでと変わらない。待ちわびる大一番のプレーボールの先で、再び人さし指を突き上げる。(須藤佳裕)