引退会見を行った長野久義(右)に花束を贈る坂本勇人=東京都千代田区(撮影・尾崎修二) 「面倒見の良さ」「太っ腹な振る舞い」。記者が日大野球部に所属していた頃、プレー以外に何度も耳にしたOBの長野さんの人柄。記者になって、その一端に触れることができたのはかけがえのない経験だった。
2023年8月。「日大会」と称して、名古屋で食事に誘っていただいた。途中、別の席で巨人の後輩がいることに気づくと静かに「あそこの席の分(代金)もこっちで」と店員さんから会計を受け取った。「これが噂の」とほれぼれしたのを覚えている。
担当した2年間。「あそこにいる〇〇さんは日大出身。後であいさつしておきな」と声をかけていただいた。「長野のことを嫌いという人は一人もいなかった」と、大学の先輩に聞いていた通りの人だった。
「長野さんの背中を見ているので」という言葉を巨人の若手選手から何度も聞いた。記者も影響を受けた一人だ。食事に出かけた際、後輩らに大盤振る舞いをしたこともあった。背伸びをしていることは百も承知だが、それでもまねをしたくなる魅力があった。
勝負強い打撃に憧れた学生時代。いつしか男としても教本となった。雲の上の存在である大先輩を近くで見ることができて幸せだった。ありがとうございました。(日大野球部OB、2021~24年に巨人担当、樋口航)