もがき、苦しみ抜いたペナントレースは悔しさを残したまま幕を閉じた。オリックスはリーグVを逃しはしたが、2年ぶりのAクラスとなる3位に入り、クライマックスシリーズ(CS)に進出。3連覇を支えた実績組の選手たちが奮起した一方で、主力として活躍が期待された森友哉捕手(30)は度重なるけがの影響で移籍後最少となる50試合の出場で、打率も・205という成績にとどまった。
「(期待に)応えられているうちはいいけど、応えられなくなったときにやっぱり悔しさとか、(複雑な思いは)どうしてもつきもの。死に物ぐらいでやるしかない」
9月25日のロッテ戦(京セラ)の九回に今季1号となる3ランがようやく飛び出した後に、胸中を打ち明けた。
12年目の今季は試練の連続だった。開幕直前の3月に右脇腹を痛めて戦線離脱し、初めて1軍に昇格したのは5月5日。しかし、7月には右太もも裏を痛めて再びリハビリを余儀なくされた。9月8日にもう一度、1軍の舞台に戻ったが、一時は36打席無安打と自分の打撃を見失いかけた。
「何をやってもいい結果が出ないので嫌にはなりますよね。僕のプロ野球人生の中の得た引き出し全て開けてやったけど、何もフィットしない。そういう年もあるのかな、試練なのかなと思っている」
これまで培ってきた知識や経験をもとに復調のきっかけを模索したが、結果がついてこない。焦燥感や苦悩にさいなまれながらも、試合後に素振りを繰り返すなど、質よりも量をこなす原点回帰の練習を経て冒頭の12年連続となる本塁打につなげた。
森自身は西武時代とオリックスでもリーグ優勝は経験しているが、日本一の経験はない。頂点に立つのはいばらの道ではあるが、不完全燃焼に終わったシーズンの悔しさを晴らすチャンスでもある。
「(短期決戦は)勢いでいくしかない。(敵地の空気に)飲まれないこと、自分たちの野球をしっかりやることが大事。与えられた場所で僕ができる最大限のパフォーマンスを出せたら」
名誉挽回に燃える男の目つきは鋭い。日本ハムとのCSファーストステージは11日の初戦を落としたが、下を向く暇などない。勝利に貢献するため、最後の最後まで全力で戦い抜く覚悟だ。(織原祥平)